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植田直通「外へ出たい」の意味は?
五輪を価値ある通過点にする決意。
posted2016/07/27 11:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
AFLO
思いがけない告白だった。
「こうやってヨーロッパの選手とやれる機会はなかなかないので、今日もやりあったりして、やっぱり外でやらないと差が開いていくだけだなと、すごいまた感じました。早く外へ出たいというのは、また改めて感じました」
5月のトゥーロン国際が1勝3敗の成績に終わった直後、植田直通はこう話した。
U-23日本代表の最終ラインを支える21歳の胸では、向上心と闘争心が絶えず膨らんでいる。プロフットボーラーなら誰もが抱く思いだが、植田はそこに疾走感を付け加えようとしている。
「日本代表の舞台で自分がレギュラーになって試合に出たいというのは、常々思っていることです。いまJリーグで、世界で活躍しているセンターバックの選手は全員追い越したいと思っているので、早く日本代表で活躍できるようになりたいです」
そのためには、五輪を価値ある通過点にしなければならない。「日本という国はチームで戦うので、個も大事にしつつ、チームプレーを高めていかないといけない」と話す一方で、「オリンピックは僕自身が上に行くためにも、すごく大事な大会」と位置づける。
FWの前でインターセプト、という意識。
1月の最終予選を経て、「FWの前で勝負できるようになった」と評価される。
だが、植田は表情を変えない。
「そこは自分でも意識しているところですし、もっとインターセプトの回数を増やしていきたい。でも、それは最終予選で変わったわけではないです」
プレーで意識していることは「色々とあります」と言う。「でも、言えないことばかりです。色々な意味で、上に行くための自分の課題です。課題なので、言えないです」と、少し申し訳なさそうに話す。
植田が口にする「上に行く」とは、チームが五輪で勝ち進むことであり、それによって彼自身がレベルアップすることを意味する。チームの成果が個人を成長させることを、身をもって感じてきたからだ。
「鹿島でもそうですし、U-23でもそうですけど、タイトルを取ることで選手って変わるんだと実感しています。オリンピックでタイトルを取ったら、自分たちはどこまでいけるのかが、僕自身はすごく楽しみでもあるので」