松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
ショットもパットも決して“悪くない”。
全英で出遅れた松山英樹の「なぜ」。
posted2016/07/15 11:30
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph by
AFLO
「真っ直ぐ打って、グリーンに乗っけて。それが攻略法です」
全英オープン開幕前。松山英樹はロイヤルトゥルーンに対する向き合い方を、そんなシンプルな言葉で表現した。特別な対策は無いし、特別な攻略法も無い。いつも通りに、フェアウエイを捉え、グリーンを捉えるゴルフを心がけるのみだ、と。
いざ、初日。松山の戦い方は、その“公約通り”だった。1番はドライバーでまっすぐ飛ばし、グリーン手前から1メートル半に寄せて楽々バーディーを奪った。2番はアイアンでファエウエイを捉え、次打はバンカーにつかまったものの、そこからの第3打をうまくピン1メートルへ寄せてパーセーブ。3番もフェアウエイからピン6メートルに付けてパーでおさめ、4番のパー5はアイアンでフェアウエイを捉えた上で2オンに成功。イーグルパットこそ入らなかったが、バーディーは楽々獲得。4ホールで2つスコアを伸ばし、上々の発進を切った。
しかし、後半はバーディーが1つも奪えず、その代わりにボギーが3つ。トータルで1オーバーとなり、75位と出遅れた。
「もうちょっと伸ばしたかった。オーバーパーは打ちたくなかったけど、まあ、仕方がないかな」
松山は自身に言い聞かせるように小さな声で、そう言った。
ショットは悪くない。それでもオーバーパー。
出だしで好発進を切ったのに、終わってみればオーバーパー。なぜ、そうなってしまったのか。松山はその答えになかなか辿り着くことができないでいる。
ほぼ全ホールでフェアウエイを捉えたティショットは、悪くないどころか、とてもいいという印象だった。松山自身には「良くない」と感じたティショットもあったようだが「良くないところでもフェアウエイに行ったので、そこは良かった」。