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1990年代のセリエはヴィンテージだ。
イタリア発の“懐古趣味”が日本にも? 

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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photograph byTakashi Yuge

posted2016/06/02 10:40

1990年代のセリエはヴィンテージだ。イタリア発の“懐古趣味”が日本にも?<Number Web> photograph by Takashi Yuge

どれもこれも懐かしいユニフォームばかり。あなたはいくつわかりますか?

ディビアッジョの18年前のPKもネタに。

 冒頭のイベント「オペラツィオーネ~」でのエキシビジョンマッチの途中、PKが宣告されるとスタンドのファンたちは、元イタリア代表のディビアッジョ目がけて、一斉に野次コールを飛ばした。

「Ohhhh~! ディビアッジョ~! PKを~俺たちに蹴り込んでくれ~!」

 これはもちろん、'98年フランスW杯に出場したディビアッジョが、フランスに敗れた準々決勝でのPK戦でしでかした派手なミスキックへの皮肉である。

 18年前のミスを今さら本気で追及していないことは暗黙の了解だから、野次られた当人も苦笑するしかない。共有認識があるからこそ成立する高度な掛け合いを彼らは楽しんだのだ。

 狂乱の'90年代は、効率化と商業化、ハイテク化が進む21世紀のサッカーシーンにあって、むしろより鮮明さを増して甦る。

サッカーでも、ヴィンテージを楽しむ時代。

 フェイスブックで告知された「オペラツィオーネ・ノスタルジア」では、会場の上空をドローンが飛び交っていた。参加者は思うままに会場の様子を撮影し、その場でアップし、情報をリアルタイムで拡散させていった。同イベントは、スマートフォンとSNSの時代だからこそ成功した企画だともいえる。

 サッカーにも、ヴィンテージ趣味を楽しむ時代が訪れようとしている。

 今はまだカルトホビーに過ぎないかもしれないが、イタリアで起こった新しいサッカー嗜好の波は、今後も発展していく可能性を秘めている。

「オペラツィオーネ・ノスタルジア」は、すでに第3回と第4回の開催計画が進行中らしい。この潮流がどこまで広がっていくのか、行方に注目していきたい。

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