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マカヒキは「強い馬ほどよく眠る」!?
ダービーの朝も眠そうな大物ぶり。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byKyodo News
posted2016/05/30 11:40
上位人気3頭が抜け出した東京の直線、最後はマカヒキがハナ差で制した。このライバル関係はしばらく続きそうだ。
距離的に菊花賞は向かず、凱旋門賞も?
今後は凱旋門賞も視野に入っている。
「オーナーと相談したうえで決めることになりますが、古馬とは斤量差があるし、輸送してテンションが上がる馬ではないので、充分やれるチャンスがあると思います」
このレースに4頭の所有馬を出走させていた金子真人オーナー(名義は金子真人ホールディングス)は、2004年キングカメハメハ、'05年ディープインパクトにつづく3度目のダービー制覇となった。レース後、ベストは2400mなので菊花賞向きではないと語りながら、ジャパンカップ参戦の可能性も示唆した。
左後肢を落鉄したサトノダイヤモンドの無念。
8センチ差の2着に惜敗したサトノダイヤモンドは、レース中に左後肢を落鉄していた。池江泰寿調教師は顔をしかめる。
「前脚ならまだしも、トモは推進力を生むところだから、あの落鉄は痛かった。(ウサイン・)ボルトだって片方の靴が脱げたら、ちゃんと走れないでしょう。去年の2着(サトノラーゼン)とは違う悔しさがあります。それでも、完璧な競馬だった。あれ以上のレースはできないと思います。今後は菊花賞、秋天、凱旋門賞といろいろな選択肢があるので、馬の状態を見ながら、オーナーと相談したいと思います」
3着に終わったディーマジェスティは、ラスト200m付近で外にふくれたサトノダイヤモンドに寄られ、立て直したことでやや伸びを欠いた。蛯名正義は「運がなかった」と振り返った。
5着のリオンディーズは、後方待機策をとったが折り合いを欠き、ギクシャクした競馬になってしまった。途中からハナに立ってハイペースを引っ張った皐月賞といい、名手ミルコ・デムーロらしからぬレースがつづいている。