濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
“学プロ上がり”の“どインディー”。
ガッツワールドが志すプロレスの王道。
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byYukio Hiraku
posted2016/05/15 11:00
ガッツ石島(左)とミスター雁之助がリング上で雄叫び! ふたりとも学生プロレスの経験者だ。
雁之助「どこに出しても恥ずかしくない」
試合後のリング、それにインタビュースペースで、雁之助は何度も「ガッツワールドはどこに出しても恥ずかしくない団体」だと言った。「食わず嫌いしないで、とにかく一回見てほしい」とも。
異論はまったくない。
タイトルマッチの経験を重ねてオールラウンダーぶりに磨きをかけたダイスケ、吉野の身体能力、タッグ戦線を盛り上げる翔太のインサイドワークなど、初めて見る観客は「こんなに凄いことをやってるのか」と目から鱗が落ちるはずだ。
ただ、これからは「どこに出しても恥ずかしくない」ことは前提にすぎなくなってくるだろう。もはやガッツワールドは「学プロ上がりでもここまでできる」と誇るようなレベルではないのだ。
今後のテーマは“シンプルでストレートなプロレス”という太い幹にどんな枝葉を繁らせるか。それが見えてきた時、後楽園大会も特別なものではない、当たり前の光景になっているはずだ。