フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
世界フィギュア女子は意外なトップ3。
ゴールド首位で米国人10年ぶり女王!?
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byYusuke Nakanishi/AFLO SPORT
posted2016/04/01 17:00
ゴールドが表彰台にのれば、2006年に優勝したキミー・マイズナーと3位のサーシャ・コーエン以来となる米国人選手の快挙となる。
米国勢を追うかたちで、2位、3位がロシアに。
サプライズはまだあった。
最終滑走のアンナ・ポゴリラヤが、やはり驚くような思い切りの良いジャンプを全て成功させて、73.98で自己ベストを更新。SP2位に立ったのである。
ロシアの3人の中では、3番手だったポゴリラヤだが、秘めていた力をこの大舞台で一気にはじけさせた。
3位は最初にコンビネーションを予定していた3フリップでちょっと着氷につまった、エフゲニア・メドベデワ。73.76で、ポゴリラヤと僅差である。
4位のワグナーまで、2位、3位、4位と73点台が並び、71.70のエレナ・ラジオノワが5位スタートに。
フリー最終グループ6選手の全員が、SP70点台というレベルの高い試合となった。
このままゴールドはトップを保つことができるか?
ゴールドは会見で、こう喜びを表現した。
「今日の演技を誇りに思います。会場全体から愛情とサポートを感じました。世界選手権で自己ベストを出すことができて、魔法のような体験でした。すべてが収まるべきところに収まったような感触がありました」
ジュニアの時代からその才能が注目され、いずれはゴールドが世界のトップに君臨する時代が来るとかなり早いうちから言われていた。だがSPとフリーの2本をノーミスで揃えることがなかなかできずに、これまで大きなタイトルを逃してきたのだ。彼女は、今回こそフリーでプレッシャーを乗り切ることができるだろうか。
日本女子勢は、3枠確保の瀬戸際に……。
一方日本女子は現在宮原知子が70.72で6位、本郷理華が69.89で7位と、スコア的には悪くないものの、順位的には予想外の苦戦を強いられることとなった。
宮原は3フリップの着氷が珍しく回転不足になったものの、それ以外にミスがあったわけではない。本郷は勢いのある良い演技で、自己ベストスコアを更新した。
だがさすがに世界選手権ともなると、他にもここにピーキングを合わせてきた選手たちが次々と自己ベストスコアを出していく。やはり普段の試合とは違うと感じさせる、レベルの高い大会となった。
現在の2人の順位が合計13で、来年の世界選手権3枠を確保するギリギリの数字である。フリーではかなりのプレッシャーであろうが、それにつぶされずに伸びやかな演技を期待したい。