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中日「ポスト谷繁」論争に決着の時!
“中村武志似”の桂依央利に期待大。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/03/16 10:30
昨年一軍デビューし、初安打がホームラン。桂依央利は谷繁元信の後継者争いを勝ち抜けるか。
担当した選手が残した、錚々たる2015年の成績。
そして、その姿勢は桂にだけ発揮されているわけではない。ドラフト1位入団のスーパースターであっても、自分の思うところを伝えることを躊躇しない。今やエースとなった大野雄大に対しても、プロ2年目の時に「お前、もう野球辞めろ」と厳しく叱責したことがある。今では語り草になっているが、選手の本当の特性を知る米村だからこそできるのだ。
米村がスカウトとして担当した選手の2015年度一軍成績をまとめると以下のようになる。錚々たるメンバー、と言えるだろう。
<投手>
吉見一起 8試合 3勝0敗 防0.94 ※高校時のみ担当
岡田俊哉 50試合 0勝1敗 防1.57 H12
大野雄大 28試合 11勝10敗 防2.52 H1
金子丈 10試合 0勝0敗 防3.95
小熊凌祐 13試合 1勝1敗 防4.07 H1
<野手>
桂依央利 47試合 率.229 本2 点7
藤井淳志 118試合 率.295 本6 点45
平田良介 130試合 率.283 本13 点53
大島洋平 142試合 率.260 本6 点27
松井佑介 30試合 率.194 本0 点0
桂にとって目下のライバルは、ルーキー木下。
桂の目下のライバルは、同級生で社会人から入ってきたルーキーの木下になる。
同級生だということもあるし、現場の人間は新しい選手に期待するというのがこの世界の常でもあるからだ。
木下は高知高、法政大、トヨタ自動車とアマチュア野球の王道を歩んできた。
大学時代も桂と同じようにプロ志望届を提出したが、打撃面の不調がネックとなって指名を見送られた。社会人では1年目の日本選手権からレギュラーをつかむと、チームの中心選手として定着した。指名を受けたのは、ドラフト指名が解禁されてすぐの2年目のことだ。
もともと投手をやっていたこともあって強肩で、スローイングはいい。大学で配球面やワンバンド捕球など守備面を学び、社会人で打撃を磨いた。いわば、各カテゴリーで順調に課題を克服し、見事な成長曲線を描いてきた選手なのだ。