月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
プチ鹿島、2月のスポーツ新聞時評。
プロ野球キャンプを堪能する方法。
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2016/03/01 18:00
最短で4月23日(QVCマリンフィールド)でのオリックス戦から出場が可能になるというロッテのナバーロ。
清原には「我々のために」きちんと再起してほしい。
さて。
本来なら毎年2月はプロ野球のキャンプ、オープン戦がスタートして野球ファンはワクワクがたまらない季節である。しかし今年はちがった。2月2日の夜、清原和博が「容疑者」となったのである。あの日以降、本来ならどのチームのファンもウキウキでスポーツ新聞を開くこの季節に、話題は清原報道で埋め尽くされた。
清原の罪は「今後の我々の人生にふっと影を落とす罪」でもあると思う。「単なる一人の野球選手の破滅ではない。野球を愛したファンの思い出の破壊でもあるのだ。」(Number896号・鷲田康)という言葉そのままだ。思い出にボカシが入ってしまう。
これから日々の野球をみているときに、ふいに彼のことを思いだすことがあるに違いない。プロ野球だけではない。甲子園で高校生スラッガーがホームランを打てば打つほど「キヨハラ」を思い出すだろう。暗い影とやるせなさをその都度野球ファンは感じることになる。
だから図々しく言うと、清原には「我々のために」きちんと再起してほしいのだ。
レンジャーズのダルビッシュ有投手はキヨハラの件について「セカンドチャンスを与える社会になっていかないと」と発言した。
ダルビッシュの言うようにプロ野球という場所ならベストなのだろうけど、まずは草野球でもいい。清原はどこかの草野球チームに入れてもらって野球をしてほしい。野球ができて、仲間とワイワイできる環境をつくってほしい。そうすればもしかして……。
Number896号に載っている、練習用ユニフォームで白球を追う高校時代の清原青年の写真を見てしみじみそう思いました。
以上、2016年2月の「月刊スポーツ新聞時評」でした。