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一戦たりともスタメンは譲りたくない。
南野拓実が戦う2年連続2冠への道。 

text by

ミムラユウスケ

ミムラユウスケYusuke Mimura

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posted2016/02/26 10:40

一戦たりともスタメンは譲りたくない。南野拓実が戦う2年連続2冠への道。<Number Web> photograph by AFLO

オーストリアリーグで最強を誇るザルツブルクで定位置を掴んでいる南野だが、移籍当初からさらなるステップアップを公言している。

たった1試合のスタメン落ちも成長の糧に。

 ただ、アウェーでの連戦が続くという苦しい時期はそれなりの結果で乗り切った。さらにチームには明るいニュースもある。

 中盤でチームの心臓となるギニア代表のケイタは、ウインターブレイク中にマラリアにかかったが、アルタッハ戦でようやく復帰した。そして、ザルツブルクで121試合に出場して106ゴールを決めているエースのソリアーノ。怪我でリート戦を欠場し、アルタッハ戦では出番はなかったものの、ベンチ入りを果たすなど復帰も近い。

 むしろ、ここからがガルシア監督と選手たちの真価が問われることになる。それはもちろん、南野にとっても。

 先発を外れたアルタッハとの試合直後には悔しそうな表情を浮かべていたが、ロッカールームから出てくるとスッキリした表情を浮かべていた。誰かのせいにすることもなければ、言い訳を探すこともない。

 監督が戦い方を模索してくなかで、色々な選手が試されている。その中で、たった1試合くらいスタメンから外れても仕方がないでは?

 そんな質問に対して、南野はキッと力をこめてこう答えた。

「そういう風な捉え方もありますけど、やっぱりどんな試合であっても、良い選手だったら試合に出るというのが僕の考え方なので。今日のことは……。悔しいというより、『これでまた成長できるな』という気持ちなんですよ」

 ザルツブルクはどうにかリーグで首位にいるし、国内カップ戦でも準決勝にコマを進めた。昨シーズンに続いて2冠を達成するチャンスは十分にある。

 さらなる成長をとげ、チームを引っ張り、タイトルをもたらす。南野はそこに焦点を定め、苦しい戦いを乗り越えようとしているのだ。

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