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同じスケーターの、姉と妹の間で。
本田望結が語った姉・真凜。
posted2015/12/18 11:00
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph by
Getty Images
日本フィギュアスケート界に、ニューヒロイン誕生――2015年12月12日にスペイン・バルセロナで行なわれたジュニアGPファイナルで、14歳の本田真凜が初出場ながら銅メダルに輝いた。フリーでは真っ赤な衣装と口紅で豊かな表情を際立たせ、ホラーコメディ映画「ビートルジュース」の怪しくも楽しい世界に観客を引き込む。その姿には、表現することへの高い意識が垣間見えた。
そんな本田真凜には、表現力の「お手本」がいる。3歳下の妹、本田望結(みゆ)だ。2011年にドラマ「家政婦のミタ」での演技が注目を集め、現在公開中の山田洋次監督映画「母と暮せば」の主要キャストにも抜擢された。
Number892号「FIGURE SKATING CLIMAX2015-16」では、各界のフィギュアスケート通にお気に入りの選手とプログラムを語ってもらう企画「マイベスト・プログラム」を掲載したが、自らもフィギュアスケート選手として日々練習に励む望結にも話を聞くことができた。当日は、所属する事務所の晴れ着撮影会。桃色のかわいらしい着物を身にまとった望結は、「好きな選手は?」との質問に、目を輝かせて真っ先に姉・真凜の名前を挙げた。
「いつまでも憧れのお姉ちゃんでいてほしい」
「お姉ちゃんはジャンプが上手くて、スケーティングもすごく綺麗です。いつまでも憧れのお姉ちゃんでいてほしいので、勝ってくれると自分のことのように嬉しいです」
本田家は5人きょうだいのうち、真凜や望結を含む4人がフィギュアスケートをしている。取材当日は1週間後に真凜がジュニアGPファイナルを控えており、「スペインにはお父さんがついていくみたいです。同じ週末に私と妹(紗来)が出る京都府民総体もあるので、お母さんはそっちに来てくれます」と慌ただしい本田家の様子を話してくれた。
望結は真凜について、「家で学校のテスト勉強をしながらスケートの練習も頑張っている姿を見ているので、そういうところにも憧れています」と、家族ならではの微笑ましいエピソードを披露。普段はレッスンの時間が違うため練習を見る機会はないが、試合の度に得点を伸ばす姉の上達ぶりに驚いているという。
しかし、そんな望結の言葉の端々には、姉に対する「憧れ」だけではない、一人の競技者としての意地も垣間見えた。