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出場停止違反に対しても拙い反論。
レアル・ペレス会長もさすがに限界? 

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横井伸幸

横井伸幸Nobuyuki Yokoi

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photograph byMarcaMedia/AFLO

posted2015/12/10 10:50

出場停止違反に対しても拙い反論。レアル・ペレス会長もさすがに限界?<Number Web> photograph by MarcaMedia/AFLO

レアル・マドリーの絶対権力者ペレス会長。しかし昨今のミス連続は彼の地位をも揺るがしている。

ペレス会長は“無罪”を主張するもあえなく……。

 翌日カディスは国王杯を主催するスペインサッカー協会にマドリーの不正を訴えた。

 こうした場合、規則上、協会はマドリー側の言い分にも耳を貸す。そこでクラブを代表してペレス会長が“無罪”を主張したが、この陳述がまた酷かった。いわく、チェリシェフ本人に通知がなかったので、協会の懲罰規約第41条の第2項に従って、出場停止処分は無効。

 しかし、ペレスが触れなかった同条第1項には「通知は個人宛とは別に協会のウェブサイトに掲載される」と、また第3項には「(協会から)所属クラブ宛てに発行される通知も有効」と記してある。第2項をたてにする者が、その前後に目を通していないわけがない。

 試合終了直後には、役員の1人であるブトラゲーニョが協会からの連絡を否定していた。

「協会からもビジャレアルからも何も言われていない。チェリシェフ自身、出場停止を知らなかった」

 が、7月27日付けで協会から各クラブに発信されたリリースには、チェリシェフの出場停止が明記されている。アスレティックが同じ状況にあったラウール・ガルシア(昨季はアトレティコ所属)を国王杯同節のバロンペディカ・リネンセ戦のベンチに入れなかったのは、然るべき通知があったからだ。

国王杯敗退を避けるチャンスは何度もあった。

 予想どおり協会の競技裁定員は、ペレスの異議を却下した。

 同時に、マドリーの今季の国王杯敗退とカディスのベスト16入りが決まった。

 メディアとSNSが口を揃えて「バカげた」と評する敗退を、マドリーが避けるチャンスは何度もあったはずだ。

 監督に必要な情報を伝える責任はチーム代表責任者のチェンドにあるし、当のチェリシェフも覚えておくべきことだったが、2人以外の誰にでも「出場停止」を確認することはできたからである。

【次ページ】 ソシオ窓口に電話し、ファクスまで送った人もいたが。

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