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筋肉マニアがアスリートの体を見れば。
内村航平の背中、五郎丸歩の脚部! 

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増田晶文

増田晶文Masafumi Masuda

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photograph byAFLO

posted2015/12/04 10:30

筋肉マニアがアスリートの体を見れば。内村航平の背中、五郎丸歩の脚部!<Number Web> photograph by AFLO

均整が取れているがゆえに目立たないこともあるが、体操選手の筋肉は本当に美しい。

野球界にも松田、柳田、鳥谷……。

 さらにマッチョはいずこ――アスリートたちを見渡せば。

 いたいた、プロ野球界には熱男こと松田宣浩。ユニフォームの上からでも、筋肉がはちきれそうな具合がみてとれる。

 トリプル3&全打席フルスイングの柳田悠岐は6kgの体重アップで2015年シーズンに臨んでいる。さぞや情熱を込めて筋トレに取り組んだに違いあるまい。

 もう一人、「筋トレしないとジンマシンが出る」の金言を吐いた鳥谷敬も、妥協をゆるさぬシェイプだと私は睨んでいる。

五郎丸歩の脚部の偉容たるや!

 そして、忘れちゃならないのが話題騒然のラグビーだ。

 五郎丸歩は、その中でもとりわけ注目度が高い。実は私、あるエエカッコしいの雑誌で、W杯帰国直後の彼にインタビューしたことがある。素顔の彼は謙虚でシャイ、爽やかでありながらユーモアのセンスもあるナイスガイであった。

 五郎丸のサイズは身長185cmで体重が100kgを少し切る。日本人としてはデカいが、世界基準とりわけアングロサクソンやゲルマン、さらにはサモアンたちに比べれば……。

 だが、彼の肉体は見事にビルドアップしていた。体幹部は岩の如し。腕の太さも文句なし。脚部の発達だって着衣ごしに見てとれる。試合の映像を参照すれば、腿の前面は大きく張りだした外側広筋の偉容。膝の上に乗っかった大腿直筋の下部は、私の拳よりずっとデカそうだ。腿の裏側、ハムストリングスも尋常ではない。

 この体幹と腕、脚部が比類なき俊敏性と突進力、正確無比のキックを生む。

 彼の身体は体脂肪がそこそこ乗っていた。これはラグビーという競技特性上、きわめて重要な意味を持つ。

 あれだけコンタクトが多いと、身体に脂肪というプロテクションをまとうのは当然のこと。そうでなきゃ骨折の憂き目にあうだろうし、内臓へのショックも尋常ではあるまい。ハードな試合になれば、炭水化物が枯渇したとき脂肪が熱源になってくれる。

 他方、ボディビルは究極の筋肥大たる「バルク」だけでなく、贅肉を削ぎ筋線維まで浮かびあがらせる「ディフィニッション」という二律背反を実現させねばならない。理想の身体とはアメコミのヒーロー。一個一個の筋肉が、球体になることが望ましい。しかも、体脂肪率は極限まで絞り込むのだ。

【次ページ】 「行為は見える。行為を擔ふものは肉体である」

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