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名波監督への依存から選手の自立へ。
2015年のジュビロは、秋も強い!?
posted2015/11/08 08:00
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
「前半の半ばに退場者を出し苦しいゲーム展開になると思っていたんですが、我々の息子たちが相当たくましく、ゴールに向かっていく姿勢を貫いた結果です」
東京ヴェルディを3-0と完封したジュビロ磐田の名波浩監督は、試合終了直後のテレビインタビューの冒頭で、そう力強く話した。勝利の昂ぶりが伝わってくる。現役時代から興奮を表現することの少なかった指揮官だが、この日はロッカールームに戻ると選手たちに謝罪したという。
「テレビのインタビューでちょっと興奮して、『おれの息子たち』ぐらいのことを言ってしまったので、まずはそれを謝罪しました(笑)。あとは、『お前ら勇者だ』と伝えました」と公式会見で明かした。
J2リーグは3節を残し、未だ優勝も決まっていない。勝ち点差6のなかに3チームがひしめいている。9試合負けなし(8勝1分)というアビスパ福岡の猛追を受けながらも、2位に踏みとどまっている磐田が、明らかな変化を遂げている。
過去2年、9月以降に失速してきたジュビロ。
過去2シーズン、9月以降のジュビロ磐田の成績はかんばしくない。
2013年シーズンは2勝1分7敗で、11月10日J2降格が決定。
2014年シーズンは3勝7分3敗で11月1日自動昇格を逃し、4位で挑んだ昇格プレーオフ1回戦敗退。
だから今季、新戦力のジェイとアダイウトンが得点を重ねていても、2位でシーズンを折り返しても、安心できる余裕はなかった。実際3連勝は1度あるだけで、7月下旬には2連敗し、その後1勝1分で迎えた8月15日第29節アビスパ福岡戦で2-0と完敗。なんとか2位には踏みとどまったものの、5位までの3チームに勝ち点差3以内まで迫られてしまった。
つづく8月23日対徳島ヴォルティス戦。粘る徳島に手を焼きながら、シンプルなカウンター攻撃で得点を重ね、3-1と逃げ切りに成功。「チームとして一番大事な時期にゴールを取ることができた」という3点目を決めた太田吉彰の言葉からも、この勝利が磐田にとっての転機となったように思える。