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名波監督への依存から選手の自立へ。
2015年のジュビロは、秋も強い!?
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2015/11/08 08:00
ジェイとともに磐田の攻撃を牽引するアダイウトン。16得点で得点ランクも2位タイに上がってきた。
運命の11月1日、負ければ3位転落。
大きな期待と共に古巣に復帰した太田はこの日までゴールもなく、ベンチに座ったり、ベンチ外という試練の中にいた。
「修正が非常に早くて、前向きに取り組んでくれた成果がいつか出てほしいと思っていた。大事なゲームでそれを出してくれました。チームとしても大きい」と名波監督。
苦悩しながらも向上心と闘争心を見せ続けたベテランの姿が、チームに与えた影響は小さくはなかった。
今年は9月13日のリーグ再開以降6勝3分の無敗で、11月1日、磐田は東京ヴェルディ戦に臨んだ。
すでに3位福岡は勝利し、3ポイントを積み重ねている。負ければ、自動昇格の2位の座を明け渡さなければならない。
10人、エース負傷の逆境で目覚めたチーム。
しかし昇格プレーオフ圏内の6位にいる東京Vとて負けられない。立ち上がりからアグレッシブなサッカーを展開し、磐田にゲームの主導権を握らせない。逆に磐田はその勢いを跳ね返すだけで精いっぱいという状況だ。24分、得点機をブロックした磐田のDF森下俊が、ハンドのファールとなり、退場処分に。GKカミンスキーの好セーブでPKのピンチを逃れたものの、さらに41分にはジェイが足の痛みを訴え、森島康仁と交代してしまう。
一人少ない状況で、20得点のリーグトップスコアラーを欠いた磐田。0-0で後半を迎えるにあたり、指揮官がもっとも強く伝えたのは、「勝ち点3を取るしかない」ということ。それは「前体重」、「前への推進力」、「ゴールへ向かう姿勢」ともども、1年をかけて選手たちに訴え続けてきたメッセージだった。
49分。こぼれ球を拾った小林祐希からのパスを受けたボランチ川辺駿のシュートがゴールネットを揺らし、磐田の先制点が決まる。
61分、川辺からのパスを受けた森島がヘディングで落としたボールを収めてアダイウトンがドリブルで突破。3人のDFを置き去りにして、2点目をあげる。
69分にも再びアダイウトン。川辺とのワン・ツーから右足を振り抜いた。