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1番人気ロブチェン松山弘平の“奇襲”に中山騒然…皐月賞の核心「“行った行った”でも、なぜ名勝負になったのか?」惜敗した津村明秀の“ある証言”
posted2026/04/20 17:20
4コーナーでロブチェンに並びかけるリアライズシリウス。皐月賞は松山弘平と津村明秀、両騎手の思惑が交錯した名勝負となった
text by

島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Keiji Ishikawa
稀に見る大混戦にケリをつけたのは、乗れている鞍上の「自然体の奇襲」とでも言うべき大胆な戦術だった――。
クラシック三冠の皮切りとなる第86回皐月賞(4月19日、中山芝2000m、3歳GI)で、松山弘平が乗る1番人気のロブチェン(牡、父ワールドプレミア、栗東・杉山晴紀厩舎)が逃げ切ってレコード勝ち。昨年のホープフルステークスに次ぐGI2勝目をマークした。松山は、前週の桜花賞も2歳女王スターアニスで制している。
松山弘平はあえて“逃げ”を選択した
今年の牡馬クラシックは、確たる主役が見えづらかった。前哨戦ごとに評価が変わり、皐月賞の単勝オッズもそれを示していた。ロブチェンが4.0倍、グリーンエナジーが4.5倍、カヴァレリッツォが6.1倍、リアライズシリウスが6.2倍。上位人気が接近し、ファンは難しい選択を迫られた。
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汗ばむほどの陽気なのに、パドックでひどく発汗している馬はおらず、有力馬はみな落ち着いている。
どの馬が勝っても不思議ではない――と誰もが思うなか、ゲートが開いた。
18頭が走り出してほどなく、中山のスタンドの歓声にどよめきが混じりはじめた。
ロブチェンがハナに立ったのだ。松山は言う。
「今の中山の芝は前が有利なので、ある程度前に行きたいと思っていました。それでも、ハナに行くのは正直、あまり考えていなかったのですが、スタートもよかったですし、周りの流れや馬の並びを見て、そういう形を取りました」
松山の手は軽く動いていた。つまり、あえて促したのだ。
「調教のときもそうだったのですが、馬がすごく起きてきていて、しっかり体を使えるようになっていた。以前は馬銜に乗っかってしまって、少し伸びているような状態だったんです。あとはもうリズムよく、馬の気持ちを大事にして乗りたいな、と」


