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「先発6人制」は田中将大のために。
ヤンキースの“実験”は成功するか。

posted2015/06/17 10:50

 
「先発6人制」は田中将大のために。ヤンキースの“実験”は成功するか。<Number Web> photograph by AFLO

田中将大の完全復活は、ヤンキースにとって優勝の絶対条件と言える。ダルビッシュも提案していた先発6人制はメジャーでも定着するのだろうか。

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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 田中将大が復帰後、好調だ。

 6月9日のワシントン・ナショナルズ戦では、サイ・ヤング賞投手のマックス・シャーザーと投げ合い、4勝目をあげた。ヤンキースも、ここまで開幕前の予想を裏切って地区優勝争いを繰り広げている。他チームの状況に助けられている面もあるが、ジョー・ジラルディ監督のマネージメント能力には、正直脱帽だ。

 地区優勝を狙うとなると(ワイルドカードは他地区のレベルが高いので厳しい)、田中に故障がないことが絶対的に必要になる。そこで導入が検討されているのが、「6人ローテーション」である。

 現在、ヤンキースのローテーションは次の通りだ(数字は6月12日時点)。

田中将大(4勝1敗)
ネイサン・エオバルディ(5勝1敗)
マイケル・ピネダ(7勝2敗)
CC・サバシア(3勝7敗)
アダム・ウォーレン(4勝4敗)

 この5人に、故障から復帰予定のイワン・ノバを組み込むかどうかが焦点となる。アメリカのメディアは「6月下旬までに決断の見込み。とりあえず、オールスターまでは6人ローテーションで回し、後半戦に関しては再検討」という予想をしている。

先発を6人にすると、どこかを削る必要がある。

 確かに田中の肘、腕の状態を考えると、6人でローテーションを回した方がケガのリスクは減ると思われる。

 先発を6人にした場合、何が問題になるのか。マネージメント・サイドはある決断を求められる。それは――。

・ブルペンの人数をひとり減らす
・野手の控えを4人から3人に減らす

 メジャーの標準的なブルペンの編成は7人だ。6人に減らした場合、ひとりに対する負担がかなり増え、好ましくないとされている。しかもここまで17セーブをあげ、チームに大きく貢献してきたクローザーのミラーが故障者リストに入り、台所事情は苦しい。

【次ページ】 内外野をこなせる選手を獲得する、という方法。

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