メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
イチローの偉業を継承するために。
青木宣親もまた“特別な存在”だ。
posted2015/06/16 10:50
text by
ナガオ勝司Katsushi Nagao
photograph by
AFLO
イチローには、なれない――。
きっと誰もがそう思う。イチローは特別だから、特別な才能を持った野球選手だから、誰もイチローのようには打てないし、誰にもイチローのような成績は残せやしない。イチローに憧れた世代=イチロー・チルドレンと呼ぶべき世代のプロ野球選手でさえ、そう思っているのではないか。
だが、本当にそうなのだろうか?
ジャイアンツの青木宣親がメジャー挑戦4年目の今季、打撃好調を維持している。6月10日時点で打率.333はナショナル・リーグ4位。今季通算74安打はリーグ2位である。
メジャーリーグに挑戦した日本人野手で、規定打席に達しながら4年目に打撃タイトルを狙える位置まで成績が向上したのは、過去にイチローただ一人だけだった。メジャー挑戦4年目はなぜか、日本人野手にとっての一つの壁となっており、メジャー挑戦そのものが4年で終わってしまう選手も多い。
最初の3年間で成績を徐々に下降させていた青木もまた、その流れにのみ込まれていた。