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ロッシがマルケスの転倒を誘った?
ライバルとの「確執」という悪癖。
text by
遠藤智Satoshi Endo
photograph bySatoshi Endo
posted2015/04/25 11:00
今季2勝目を挙げたロッシ。ランキングでもトップに立ち、レース後はまさしく喜色満面の様子だったが、この先は若き王者の逆襲が彼を待つはずだ。
2人の関係性は、これから確実に変わる。
第3戦アルゼンチンGPを終えて、総合首位をキープしたロッシと、総合3位から5位にダウンしたマルケスとのポイント差は30点に開いた。
ロッシにとっては大量リードと言ってもいいポイント差を築いたことになるが、果たして今回の接触事故が、ロッシにとってプラスになるのか、それともマイナスになるのかが、実に興味深いところでもある。
少なくともコース上では、マルケスがロッシとの戦い方を変えてくることは間違いないし、不必要なバトルはしなくなる。そして、これまで以上に全力で勝ちに行くことになると思うからだ。
それにしても、転倒に終わったマルケスは自身のヒーローであるロッシとのバトルで、何を学んだのだろうか。
それを知るのはこれからになるが、ひとつだけ言えるのは、こういう悔しいレースをした後のマルケスは、確実に強くなって来た事実があるということ。
8回目のタイトル獲得に本気を出してきたロッシと、3年連続チャンピオンを狙うマルケスの戦いは、まさにゴングが鳴ったばかり。
この数年、グランプリを盛り上げてきた2人の戦いは、新しい局面を迎えようとしているようだ。