オフサイド・トリップBACK NUMBER
ハリルホジッチ監督の最大の魅力、
オシム以来の「コミュ力」に期待。
text by
田邊雅之Masayuki Tanabe
photograph byTakuya Sugiyama
posted2015/05/05 10:30
イビチャ・オシムとの共通点をたびたび指摘されるハリルホジッチ。同じ旧ユーゴスラビア出身ということも関係しているのだろうか。
日本代表のムードは確実に変わりつつある。
ブラジル大会の惨敗、アジアカップでの敗退、そしてアギーレ監督の解任。この10カ月近く、日本代表の周辺は沈うつな空気に包まれていた。
しかしムードは確実に変わりつつある。象徴的なのは、ウズベキスタン戦で見事なボレーシュートを決めた青山敏弘の言葉だ。
「(ブラジル大会は)もう過去のことです」「また代表での活動が、自分のなかで動き出しました。新たな目標もできたし、ロシアに向けていい試合になったかなと思います。ここから、ここから、頑張ります」
選手たちは、既に2018年に向けて歩き始めた。我々メディアも挫折感や無力感を払拭していく必要がある。知識と情報を貯え、思考を研ぎすませ、ユーゴスラビアからやってきた才気あふれる指導者に、日本のメディアは気骨があると思わせていかなければならない。それは体脂肪率を減らしていくことよりも、はるかに大切なミッションになる。