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DeNAが配布した12万個のヘルメット。
使い道はインテリア、照明、呪術!? 

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村瀬秀信

村瀬秀信Hidenobu Murase

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photograph byHidenobu Murase

posted2015/04/21 10:40

DeNAが配布した12万個のヘルメット。使い道はインテリア、照明、呪術!?<Number Web> photograph by Hidenobu Murase

筆者はヘルメット2つを4月12日に行なわれた東京野球ブックフェアの売上金入れとして活用しました。残りの3つはまだ部屋の中に堆積。

多い人では、4人家族で12~3個のヘルメットが家に。

 3月31日からはじまった横浜スタジアム開幕シリーズ。超満員に埋まったスタンドのファンの頭には、ブルーメタリックのヘルメットが光り輝いていた。そして、彼らは球団の思いに応えるように、口々に『似合う、似合わない』なんて言いながらキャッキャと試合を観戦し、ヘルメットウェーブなんてものに参加し、試合後ヘルメットをかぶったまま電車に乗って家路につき、寝る前にヘルメットを眺めながら幸せな気分に浸る。

 そして、翌日も翌々日もハマスタへ。ヘルメットナチョスを食べMLB気分に浸り、ラミレスの引退式に涙し、ダチョウ倶楽部のヘルメット“くるりんぱ”始球式やらに笑って泣いて、家に帰った何度目かの夜に気がつくのだ。

 ヘルメットは、かさばる。

 1、2個ならば最高のアイテムである。だが、複数はキツイ。ちなみに今、筆者の手元にはうずたかく積み上げられた5個のレプリカヘルメットがある。メタリックに妖しく光るソレは、狭い部屋の中で凄まじくも場違いな存在感を誇示していて、なるほど、こりゃ生活の一部どころかおはようからおやすみまで暮らしをガン見ているかのようだ。

 一体これをどのように活用すればいいのか。ベイスターズファンの友人に聞いてみると、皆熱心なもので3個、6個、8個と複数所持となっているらしく、多い人では4人家族で12個~13個とヘルメットの山に埋もれて生活をしている家庭もあるという。

「横浜市のヘルメットの捨て方」という動画も……。

 ちなみに活用法を探り、ネットで「横浜 ヘルメット」と検索してみると、上位に「横浜市のヘルメットの捨て方」なんてYouTube動画がヒットする。聞けばあの6連戦の最中、ぞんざいに置き去りにされた捨てヘルメットも結構あったらしく、帰りの電車では「本日はヘルメットの忘れ物が大変多くなっております」なんてアナウンスも流れたとか。

 捨てればいいのか。いや、ファンであればあるほど、チームの魂であるロゴが入ったレプリカなんてものは捨てられるわけがなく……。さらに雨に濡れた捨てヘルメットを見れば、『おおよしよし……』と拾って帰ってきては、お母さんに「いくつ目! 捨ててきなさい」と怒られる。

 せっかく球団がやる気になって大盤振る舞いしてくれた試みなのである。それを無下にしないためにも、お母さんも納得させる形で活用したい。だが、どうすればいいのか。現在、横浜界隈ではこのような悩みに直面しているベイスターズファンが多いと聞く。

 というわけで、今回はあの固くてつやつやでイビツな形でかさばってしょうがないヘルメットを、ファンの人たちは一体どのように使っているのか。その活用方法を取材してみた。

【次ページ】 最もメジャーな発想は「誰かにあげる」。

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駒田徳広

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