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例年接戦の桜花賞でなぜ4馬身差が?
レッツゴードンキ岩田会心の逃げ戦術。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2015/04/13 11:25
デビューした新馬以来の勝利がクラシック制覇となったレッツゴードンキ。2着はクルミナルと、チューリップ賞出走馬でのワンツーとなった。
この勝利を、アドマイヤラクティに捧ぐ。
管理する梅田智之調教師は、今年開業9年目。昨秋、アドマイヤラクティでオーストラリアのコーフィールドカップを勝ち、GI初制覇を果たしているが、JRAのGIはこれが初勝利だった。そのアドマイヤラクティは、次走のメルボルンカップで最下位に敗れたのち、心不全で急死している。
「これでアドマイヤラクティにもいい報告ができます。天国のラクティに恥ずかしくない成績を挙げていきたいと思います」
次走は、距離適性からNHKマイルカップか、それとも二冠を狙ってオークスか。
2着はクルミナル、3着はコンテッサトゥーレ、4着はクイーンズリング。ここまでがオークスの優先出走権を獲得した。
そのほかの人気どころの着順を見ていくと、4番人気のディープ産駒アンドリエッテが6着、無敗馬の1頭キャットコインが7着、ルージュバックは9着、ココロノアイは10着だった。
ルージュ・大竹師「敗因はよくわかりません」
道中、動くに動けず、いいところなく終わったルージュバックの戸崎は、「もう少し前で競馬をすればよかったです」と肩を落とした。管理する大竹正博調教師は、「敗因は、距離なのか、馬場なのか、ペースなのか、よくわかりません。これだけ支持されたのに結果を出せず、申し訳ありません」と語った。
9着とはいえ、ルージュ自身も上がり33秒6の脚を使っている。レッツゴードンキには離されたが、2着のクルミナルとはコンマ3秒差だ。タラレバを言えば、もっと速い流れになったとしても、この上がりでまとめる力のある馬だ……ということは、やはりペースが合わなかった、ということだろう。同じことが、上がり33秒7で4着のクイーンズリング、33秒4で7着のキャットコイン、33秒7で10着のココロノアイにも言える。
競馬というのは「強い馬が勝つ」のではなく「勝った馬が強い」のだとよく言われる。が、これらの馬たちは、「弱いから負けた」わけでもなければ、「負けたから弱い」わけでもない。
勝ち馬の次走同様、無敗の桜花賞馬になれなかったスーパー女子たちの巻き返しにも注目したい。