直接ハリルホジッチから「点を取って来い！」と言われた。

　過去にもゴールへのこだわりがなかったわけではないだろう。ただ今は、よりハッキリと、そのタレントをゴールという結論に向かって発揮する道を描いている。フル代表デビューを果たした今回、周囲と自分との差もやはり「ゴール」によって定められた。

「岡ちゃん（岡崎）、（本田）圭佑くんはやっぱり役者が違うと思った。チュニジア戦でやっぱり決めきるのはあの2人だったから」

　ウズベキスタン戦終盤には課題とされてきた守備で、サイドの自陣深くまで下がるシーンも見られた。

「3トップが自由に動くというやり方はガンバとも求められるものが違うので。自分は左サイドで出たからそのエリアの守備はしっかりとやったというところです」

　尖ったままで大いに結構。

　芯の部分では謙虚さ、誠実さがある。宇佐美はそういうギャップでも魅せるプレーヤーだ。

　ハリルホジッチの評価も上々だったのではないか。ウズベキスタン戦後にこんなエピソードも明かした。チュニジア戦で決定的なシュートをポストに当てたことを「イジられた」と。

「今日の試合前に“点を取って来い”と声をかけられたんです。笑ってごまかしましたけど」

　今回はたった一歩を踏み出しただけ。それでも大きな一歩を記した、というところだ。