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4年間昇格を阻んだ千葉の“性格”。
「関塚効果」はJ1復帰をもたらすか。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2014/12/05 10:50
川崎を率いた2004年にはJ2優勝でJ1昇格を果たした関塚隆監督。毎年のように昇格を本命視されていた千葉をJ1へ導くことができるか。
佐藤勇人「“想定外”がなくなった」
最終ラインを統率するのは山口智。対人に強いキム・ヒョヌンとコンビを組み、ボランチの佐藤勇人と佐藤健太郎とともに攻守のバランスを整える。佐藤勇人のパスコースを切るポジショニングは守備の第一歩となり、佐藤健太郎の縦パスは攻撃のスイッチとなる。
鈴木淳前監督時代に控えに甘んじていた佐藤勇人は、今のチーム状態についてこう話した。
「どんな試合でも、“想定外”と感じる状況がほとんどなくなったことが大きい。個人的には2年前や1年前との違いは感じていないけど、チームとしては変わったと思います。難しい試合でもものにできるようになったし、逆転もできるようになった。
天皇杯で勝ち上がれたことも大きかったですね。いろいろな選手がピッチに立つことで、チーム全体のモチベーションと競争力が上がった。去年も一昨年も、ピッチに立てる選手は13~15人程度に限定されていました。でも、今は誰が出ても戦える。トレーニングの質が上がったことを肌で感じていたので、チーム力という意味では間違いなく上がっていると思います」
山口智「シビアなところを追求していかないと」
ただし、わずか半年足らずですべてが改善されたわけではない。2012年の加入以来ずっとこのチームの“性格”に対する危機感を口にしてきた山口智は、最終節の讃岐戦終了後に「変わり切る」ことの重要性を強調した。
「勝っている試合の終盤、足先だけでちょこちょことプレーして、ボールを取られてカウンターを受ける。そういう部分は、まだまだあります。僕たちは、そういうシビアなところをもっと追求していかないといけない。
3位になったと言っても、それで何かを手に入れたわけじゃない。去年、一昨年と痛い目にあっているので、本当に死にもの狂いで戦わなければならないですよね。最後の最後まで追求し続ける。後悔したくないので、そういうところを強調したいし、勝つための準備をしたいと思います」
千葉の変化は、まだ始まったばかりに過ぎない。しかしJ1昇格を懸けた山形との決戦は、それを一気に加速させるための特効薬となる可能性を秘めている。