サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
再び某夕刊紙風で代表発表をお届け。
ザックJ組と若手の生存競争が勃発!
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byJ.LEAGUE.PHOTOS
posted2014/11/06 11:40
31節終了時点で、大久保嘉人と並ぶ15ゴールで得点王争いの首位に立っている豊田陽平。空中戦、ポストプレー、そして高い決定力で激戦の1トップを手に入れられるか。
遠藤、今野以上に驚いた細貝の落選。
デスク 「そうだな。若いメンバーを中心に6試合で選考して、生き残った選手たちでアジアカップを戦うってイメージだったもんな」
二宮 「はい。ここまで未招集だった内田を口説いて代表復帰させたり、ケガで離れていた長谷部も戻ってきます。1月のアジアカップを見据えて、監督は会見で『この2試合は何かを試すんじゃない。勝ちに行く試合だ』と強調しています。『(メンバーの)80%、90%は決まっている』という発言もありました。選考の色が一気に薄まって“アジアカップはこのメンバーを中心に戦うぞ”という意思表示にも聞こえました」
デスク 「今回のメンバー発表で一番驚いたのは、やっぱり遠藤、今野のところ?」
二宮 「いや、一番は細貝の落選です。絶対に外さないと思ってましたから」
デスク 「というと?」
二宮 「前回も言いましたけど、海外のクラブに所属する選手には15日前に招集レターを送ることが義務づけられています。2週間前を判断材料にするなら、今回メンバー落ちした長友はケガで、柿谷、マイク、田中たちは出場機会に恵まれていない状況なので理解はできます。それに今回呼ばれている選手は吉田以外、クラブで試合に出ていることが共通しています。川島も最近になって試合に出られていませんが。しかし細貝はヘルタで出ているにもかかわらず、呼ばれていないのです」
デスク 「ほう」
「彼のことは直にみて、よく分かった」
二宮 「今回は長谷部、今野を試合で見てみたいという意図があってのことだとは思うのですが、ここ4試合すべてに出場している細貝がいれば、アギーレ監督の考え方、中盤の動き方のイメージを選手たちにより伝えることができると思うんですよね。そういう意味でも、僕は中盤のキーマンだと思っていましたから。
細貝、森岡、田中の3人をごそっと入れ替えることで、チームとして継続してきたことをうまく引き継いでいけるのかどうか。これまではいくら選手選考がメインだったとはいえ、4-3-3の新しいシステムを選手なりに解釈してやってきているわけですからね」
デスク 「それで監督は細貝の落選に対して、何かコメントを残しているの?」
二宮 「メンバー漏れした選手にはコメントをしないのが彼のスタンスですが、『今回は例外』として『彼のことは直にみて、よく分かった』とだけ述べています」
デスク 「ん? それって良い意味、悪い意味?」
二宮 「確かにどっちとも受け取れるような発言ですが、コメントをすること自体が細貝への配慮とすれば、僕は“今回はローテーションで外しただけ”と受け取りましたけど。監督がモットーとする“闘える選手”の象徴的な存在だと思うし、状態が良ければ外せない選手の一人じゃないかと思うんですが」