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<レジェンドが語るクラシコ> ティエリー・アンリ 「レアルへの勝利は無限の力を与えてくれる」
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph byDaisuke Nakashima
posted2014/10/24 11:30
屈辱でしかなかった、ベルナベウでの試合。
「翌年5月7日のベルナベウでの試合は、屈辱以外の何ものでもなかった。前節にリーグ優勝を決めたレアルが、試合前に祝賀セレモニーを実行したんだ。ラグビーだってノーサイドになるのは試合の後だ。それなのに勝つために出向いたアウェーのピッチで、戦う前に相手を祝福しなければならないなんて……。そのうえ試合も完敗(4-1)で、スタンドのマドリディスタたちのオーレの掛け声だけが心に残っているよ。
でも次のシーズンは違った。ペップ(グアルディオラ)が監督になって、僕らのサッカーが変わったんだ。僕自身も、相変わらずトップでプレーする機会はほとんどなくて、左サイドが定位置だったにせよ、スペインの環境にも慣れてリラックスできた」
他のどの試合よりも、勝つための戦い。
「カンプノウ('08年12月13日、2-0でバルサの勝利)でもほぼ完ぺきだったけど、圧巻はベルナベウ('09年5月2日)だった。メッシと僕が2ゴールずつを決めて、6-2でレアルを叩きのめしたからね。勝ち点差も7まで広げて、優勝もほぼ確実にした。1年前とはちょうど真逆で、僕らはこのシーズンにはじめて三冠(リーガ、コパデルレイ、チャンピオンズリーグ)を成し遂げた。クラシコがその契機を作り出したんだ。
もちろん内容がいいに越したことはないけど、クラシコでは何よりまず結果が求められる。僕らにとっても他のどの試合よりも勝つための戦いだった。その意味でもクラシコは特別だ。
でもペップは、優れたサッカーを追求することで目的を達成した。実際、'08年からの2シーズンは、僕らは4連勝して一度もレアルに負けなかった。そんな時代にバルサの一員だったことに、大きな誇りを持っているよ」
レアル・マドリーvs.バルセロナ
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