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ライバルからも愛された女王・李娜が残したもの。
~アジアの開拓者、ラケットを置く~
posted2014/10/08 10:00
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph by
Hiromasa Mano
'11年全仏で、アジア選手で初めて四大大会女子シングルスを制した李娜(中国)が突然ラケットを置いた。両ひざのケガで7月からツアーを離れていたが、9月19日、正式に引退を表明した。
「なんとか100%の状態に戻したかったのですが、32歳の体はもう一度トップレベルで戦うのは難しいことを告げていました。今年、全豪で再び四大大会のタイトルをつかみ、ランキングも2位になって、望ましい形で退くことができました。難しい決断でしたが、今は穏やかな気持ちです。後悔はありません」
この引退声明を受け、選手仲間はインタビューやSNSで惜別の言葉を述べた。10代の若手から女王セリーナ・ウィリアムズ、クリス・エバートのようなレジェンドまで、驚くほど多くの選手が彼女の功績を称え、別れを悲しんでいる。ウィンブルドン優勝のペトラ・クビトバは「彼女の笑顔を見ること、笑い声を聞くことができないのはさみしい」と書いた。元世界ランク1位のアナ・イバノビッチは「悲しい、悲しい知らせでした。彼女がツアーにいてよかった」と述べた。