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アンジャッシュ渡部建が惚れこむ、
慶應大の長距離砲・谷田成吾が覚醒。
posted2014/06/30 16:30
text by
渡部建Ken Watabe
photograph by
Production JINRIKISHA
最新号が配信されました。6月27日配信号の内容を一部ご紹介します。
目次
【第1打席】「広島の躍進にはプロ野球の将来がかかっている!?」
~私的広島現象推論~
【第2打席】「全日本選手権準優勝! 神奈川大の実力は本物だ」
~私的母校強豪論~
【第3打席】「ついに覚醒? 慶應大の長距離砲・谷田成吾」
~私的「由伸二世」成長譚~
【第4打席】「どうした横浜? 今年の神奈川は群雄割拠になるかも」
~私的横高危険指数~
【第5打席】「横浜・小倉コーチ退任。名指導者の頭の中が気になるなぁ」
~私的名コーチ波及効果~
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【第3打席】「ついに覚醒? スカウトたちを唸らせた慶應大の長距離砲」
~私的「由伸二世」成長譚~
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渡部:春の東京六大学って見てました?
――あんま見てなかったです……。
渡部:慶應の谷田(成吾)君、遂にブレイクしたんですよ!
――あ! それはテレビで観ました。早慶戦(第2戦)の。
渡部:そうそう! レフトのホームラン。あれはすごかったでしょ。2ストライクまでは「振り回しているのかな?」って思ったけど、追い込まれたらバットを短く持ってボールに逆らわずにシャープに振って。それが、逆方向に入れちゃうわけだからね。あの対応力はすごい!
――確か、彼は慶應高校の出身ですよね。高校時代はどうだったんですか?
渡部:注目されていましたよ。高校通算76本塁打とか、とにかくいいバッターでしたよ。だって、甲子園に1度も出られなかったのに、夏の甲子園後にやったアジアAAA野球選手権のジャパンメンバーに選ばれちゃうくらいだからね。
――あれって、甲子園出場選手が対象なんじゃなかったでしたっけ?
渡部:基本はそうなんだけど、「特別枠」みたいな感じで例外はあるんですよね。今、中日にいる東海大甲府の高橋(周平)選手も選ばれたんだけど、全国でもトップクラスの実力があれば選ばないと本当のジャパンじゃないじゃない。
――おっしゃる通りです。
渡部:しかも、この時の監督って横浜の渡辺(元智)さんだったんですよ。普通さ、同じ神奈川のライバル校から選手って選びづらいと思うんですよね。それでも選んだってことは、谷田君の実力を認めていたからで。
――慶應大に入学以降はどうでしたか?
渡部:入学当初から「由伸二世」って呼ばれていて、1年からベンチ入りメンバーだったしスタメンで出ることも多かったんだけど、なかなか本領を発揮できていなかったと思うんですよ。去年までの2年間で通算2本塁打とかね。
それが、ここにきての大ブレイクですよ! 3年春は打率3割2分、4本塁打、8打点。高校時代から見続けてきた自分からするとね、「やっと出てきてくれたか!」って感じですよね。
――先にちょっと説明してもらいましたけど、打者として具体的にどんなところが優れているんですかね?
渡部:さっき言ったように対応力に優れているっていうのは、バッティングに柔らかさがあるからなんですね。カウントによってスイングに強弱をつけたりもできるから、変化球でタイミングを外されてもちゃんとミートできるというか。それでいて長打力もあるでしょ。守備だって安定しているし肩も強い。個人的には「絵に描いたような慶應の主砲」。ほんと、巨人の高橋由伸選手の慶應大時代を思い出させてくれる選手ですよね。