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日本の酒を世界に猛烈アピール!
銘酒蔵元がサンパウロに大集合。
 

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川上康介

川上康介Kosuke Kawakami

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photograph byKosuke Kawakami

posted2014/06/26 12:00

日本の酒を世界に猛烈アピール!銘酒蔵元がサンパウロに大集合。<Number Web> photograph by Kosuke Kawakami

中田英寿みずから店頭に立って、ブラジル人のお客さんに日本酒をPR。

海外のお客様との交流から見えてきたもの。

 営業時間中は、ひっきりなしにお客さんが訪れる。蔵元の人たちも毎日法被を着て、カウンターに立ち、日本酒をサービスしたり、説明したり。普段は酒造りがメインで接客などほとんどすることはないはず。さぞかし大変だろうと思いきや……。

「すごく楽しいですよ。同じ日本人でも、駐在の方、日本から来た方、他の国からブラジルに来た方などさまざま。そういう人たちと出会えるのは、本当に面白い。それにブラジルを始め、海外の方の日本酒の飲み方から学ぶこともあります。ブラジルやスペインの方は、フルボディの濃い味の酒が好きだなとか、アメリカの方は、ライトなほうが好きなんだなとか、学ぶことも多いです」(『三井の寿』井上宰継さん)

日本酒×アマゾンの巨大淡水魚ピラルク!?

 6月17日には、サンパウロを代表する人気レストラン「ATTIMO」のジェフェルソン=ルエダシェフを招いて、日本酒にあわせて作られたブラジル・イタリアンを楽しむイベントを開催。アマゾンの巨大淡水魚ピラルクを使ったメイン料理の「ピラルク ピロン トゥクピ」(ピラルクを塩とオリーブ油・バターで焼き、マッシュしたキャサバとタピオカを添えた料理)などが提案され、参加者からは「こんなに日本酒とあうなんて」と驚きの声が上がった。ルエダシェフは、

「料理を考えるために飲んだ日本酒は、ブラジルで飲めるものとまるで違っていました。香りがあって、のどごしがよくて、飲んでいて気持ちがいい。高級な白ワインのようでした。こういう“本物”の酒がブラジルでもっと飲めるようになれば、人気はどんどん上がると思います」

 とブラジルにおける日本酒の可能性に太鼓判。『御湖鶴』の近藤昭等さんは、

「最初はブラジルの食材や料理が日本酒にあうのか心配でしたが、実際に食べてみて相性の良さに驚きました。ブラジルでも和食以外でも日本酒を楽しむ習慣が生まれればいいなと思いました」

 焼酎勢も負けてはいない。

「会社員時代に海外勤務をしていたんですが、『実家の焼酎作りのために日本に帰る』という話をしたら、誰も焼酎のことを知らなかった。だから僕の目標は、まず焼酎を世界の共通語にすること。このカフェでは、海外のお客さんにも麦焼酎の香りを喜んでいただき、手応えを感じました」(『兼八』四ツ谷岳昭さん)

【次ページ】 「海外で日本酒ブームが起きて、逆輸入みたいに……」

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