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「被害」と「処分」のバランスは?
後藤浩輝騎手の再びの落馬に思う。 

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

PROFILE

photograph byYuji Takahashi

posted2014/05/02 10:40

「被害」と「処分」のバランスは?後藤浩輝騎手の再びの落馬に思う。<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

フェイスブックではコルセット姿の写真とともに「後藤浩輝、ちゃんと生きてます。皆さんご心配とご迷惑をかけてしまい本当にごめんなさい」と綴られていた。

今年の2月、2年前の落馬について後藤が語ったこと。

 今年の2月、私は後藤に、2年前の落馬負傷の原因をつくった岩田に対し、特別な感情はないか訊いた。すると、彼は「いやいや、ぜんぜん」と首を横に振った。

「なんとも思っていません。だって、わざとやったわけじゃないし、ぼくだって、いつ逆の立場になるかわからないんですから」

 無理をしているふうではなかった。

 おそらく今回も同じ思いでいるはずだ。

 彼は岩田を憎んだりしていない。

 もう今回のようなシーンは見たくない。普通は「2度とごめんだ」と言うところだが、前述したように、2度目が起きてしまった。3度目など絶対に起きては、いや、起こしてはならない……と言う私は、感情的になりすぎているだろうか。

後藤から来たメールの返信。

 さっき、後藤からメールの返信が来た。

「ご心配をおかけしてすみません。しばらく入院しますが、進化して復活できるよう頑張ります」

 といった内容だった。

 返信の必要がない見舞いのメールを送ったつもりだったが、腕にしびれがあるのにメールを打たせてしまい、申し訳ないことをした。

 早くまた、騎手・後藤浩輝が、軽やかなアメリカンスタイルの騎乗フォームで突き抜けるシーンを見たい。

 そのときには、騎手たちが、フェアで、クリーンな舞台を整え、彼を迎えてやってほしいと思う。

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