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五輪の疲れ振り切り羽生が三冠王!
町田も2位に入り素晴らしい大会に。 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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photograph byAsami Enomoto

posted2014/03/29 11:30

五輪の疲れ振り切り羽生が三冠王!町田も2位に入り素晴らしい大会に。<Number Web> photograph by Asami Enomoto

羽生結弦が逆転で優勝を飾った世界選手権。町田樹は、五輪の悔しさをバネに表彰台へ上った。日本男子の黄金時代はまだまだ続きそうだ。

五輪王者の「意地と気合」。

「もう意地と気合でした。(日本開催の大会で勝ちたいと思ったのかと聞かれて)それよりも、これがもう(このプログラムを滑る)最後のフリーだと思っていたので、この物語を最後までしっかり演じたいと思ったんです」

 ソチ五輪では金メダルを獲得するも、フリーでは2回転倒して「悔しい」を連発していた。ここでの戦いは羽生にとって、五輪チャンピオンとしてトップを守る大会というより、不本意だった五輪でのフリーのリベンジをする場だったに違いない。

「ここ2シーズン、(4回転)サルコウがずっときまらなかった。それが最後のこの試合で成功させることができて、とにかく嬉しかったです」

 2002年のアレクセイ・ヤグディン以来12年ぶりに、GPファイナル、五輪、そして世界選手権のタイトルを獲得し、三冠王となった。

「ぼくが憧れていた選手たちにちょっとでも近づけたかなと思いました。ありがとうございました」

 そう喜びを表現しながらも、「SPではトウループをミスしてしまったので、SPとフリーの両方とも良い演技ができるよう、またしっかり練習していきたいです」と決して満足することを知らないアスリート魂をのぞかせた。

フェルナンデス2個目の銅メダル。

 3位は、前回大会に続いてスペインのハビエル・フェルナンデスが入った。ソチ五輪では惜しいところで4位に終わったが「みんなぼくが4位で悔しがっていると思っていたようだけれど、精いっぱいやっての4位でそれなりに幸せな気持ちだったんです」とコメント。フリーでは3度の4回転を成功させるも、苦手なルッツで失敗がありフリー179.51、総合275.93で2個目の銅メダルを獲得した。

「ユヅルが滑った直後だったのに、あんなに日本の観客が応援してくれたのは他の国では考えられないこと。シーズン最後を良い気分で終えることができた」と日本の観客に対する感謝の気持ちを言葉にした。

来季への意欲を見せた小塚崇彦。

 高橋大輔が右膝故障のため欠場と決まってから、3週間で調整したという小塚崇彦は、公式練習からジャンプに苦心している様子が見てとれた。だがそれでも大きく崩れることなく、精いっぱいの演技を見せて総合6位。1月の四大陸後に現役続行を表明した彼は、

「来シーズンはしっかり時間をかけて調整をしていきたい」と意欲を見せた。

 パトリック・チャンなどベテラン勢が欠場した中で、出場した選手たちは五輪の疲れを見せることもなく、レベルの高い演技を見せてくれた。後味の良い、爽やかな男子の戦いとなった。

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