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初のACL、久々の国際試合、完敗。
中村俊輔はなぜ楽しそうだったのか。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2014/02/27 12:00
執拗なマークを受けながらも前を向いてプレーし続けた中村。前半はなんとかしのいだが、後半のわずか10分間で3点という、続けざまの失点で完敗した。
韓国・全州ワールドカップスタジアム。AFCチャンピオンズリーグ(以下ACL)グループリーグ初戦。グループG全北現代対横浜F・マリノス戦は3-0で全北現代が完勝を収めた。
開始早々から果敢に攻め入る全北現代の攻撃を、なんとか耐えしのいだ横浜だったが、後半16分に先制点を許すと、同24分、同27分と立て続けに失点を重ねてしまった。
4日前のゼロックススーパーカップでも広島に0-2で完敗している。
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「うちが悪すぎた。シーズン最初だからという感じの空気があって、ゲームに勝つという根本的なメンタルの面で、まだ入れていない。これからACLだし、そこを変えていかなくちゃいけない」と中村俊輔は国立競技場で語っていた。
そのACL、敵地での一戦では闘志を感じさせる守備を見せてはいたものの、遅攻でボールを回すだけで、敵陣を脅かす攻撃の可能性は感じられなかった。
「面白かったよ」
2月25日の公式練習を終えた中村はそう言って笑った。2010年W杯南アフリカ大会以降、代表での活動もなく、Jリーグに専念してきた中村にとって、約4年ぶりとなるアウェーでの国際試合。根つきの悪いピッチや使い慣れないボール。そして、初めてのスタジアムでのトレーニングで感じた緊張感は、自身のサッカー人生において、何度も経験してきた懐かしい感覚を思い出させるものだったのだろう。
CLを経験した男が考える「アウェーでの最低条件」。
「CLでもアウェーだと『なんでみんないつもと違うんだろう』というくらいチームメイトのプレーが変わるからね。呑みこまれないことが大事になってくる。最初に気持ちを入れたプレーをすることだと思う。それがアウェーでの最低条件になる」
ACL初戦。キャプテンとして“起こすべきアクション”についてそう語っている。
「思いっきりアウェーという形で試合をやれば、チームとしてもいい経験になる。そこで、アクションを起こそうとしなければ、この間(ゼロックススーパーカップ)と同じ試合になっちゃうだろうから。明日は選手それぞれが、何が出来て、何が出来ないのかを見極められる試合になると思う」