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大迫勇也、初ゴール以上の収穫。
ドイツでの研鑽はブラジルに通ず。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2014/02/13 10:50
デュッセルドルフとのデビュー戦で、値千金の先制ゴールを決めた大迫勇也。ゴール以外にもポストプレーなどで持ち味を見せ、早くもチームの信頼を勝ち取ることに成功した。
「重い」相手に対しても、ポストプレーが通用した。
攻撃面ではどうだろうか。
ゴール以外に、大迫に大きな期待がかかっているのが、前線でのポストプレーだ。試合前、大迫はこんな話をしていた。
「みんな、けっこうパスを出してくれるようになりました。『(パスを)くれ』と、(チームメイトに)けっこう言ったから。やっぱり、言い続けることが大事だったとは思いますよ」
しかし、いくらチームメイトに要求しようとも、大迫がしっかりとボールを収められる選手でなければ、パスは出てこないのではないか。そう問うと、大迫は即座に、こう返した。
「(練習や練習試合で)ポストプレーとかでも、ほぼ、相手に勝っていたから」
それでも、さすがに公式戦となると勝手が違ったようで、デュッセルフドルフ戦の序盤は奪われるシーンもあった。2部のディフェンダーたちとの初めての真剣勝負を終えた大迫はこんな感想をもらしている。
「すごく、『重い』イメージ。背負ったときにも、相手は重かったかな」
そうは言いながらも、大迫はこの試合において一対一の局面での競り合いで20回も勝っている。これは両チームを通じて最多の数字だ。
「体が慣れていければ、もっと良いプレーができるかな」
だからこそ、大迫が続けたこんな話も説得力を増す。
「体が慣れていければ、余裕を持って、もっと良いプレーができるのかなと思いました。もっと、もっと、成長できるなあ、と」
そして、大迫にもっとも期待されるもの。それがゴールである。
チームの得点はウインターブレイク前の19試合を終えた時点で、わずか18点だった。チームの順位は8位だが、チームの得点数はリーグでワースト2位タイ。自動昇格圏内の2位フュルトと勝ち点7差、入れ替え戦にまわる3位カイザースラウテルンとの勝ち点は3差。もしも、得点力があがれば……。それが、チームにかかわる者なら誰でも目の当たりにしている課題である。