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大迫勇也、初ゴール以上の収穫。
ドイツでの研鑽はブラジルに通ず。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2014/02/13 10:50
デュッセルドルフとのデビュー戦で、値千金の先制ゴールを決めた大迫勇也。ゴール以外にもポストプレーなどで持ち味を見せ、早くもチームの信頼を勝ち取ることに成功した。
岡田が移籍後の本田から感じた“意識改革”とは?
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「ロシアで本人と会って話をしたら、意識も変わっていた。それに得点ということに関しては、今のチーム(※筆者注:2010年5月時点の日本代表)の中で一番と言っていいかもしれない」
――具体的に、何が変わったのでしょう。
「本人も言ってるんですが、一歩足が出るようになった、と。以前は潰されていた場面でも、取られそうで、取られなくなった。それが一番大きいですね。あとはフリーランニングするようになったこと。オランダのフェンロのときは、ほとんど足元で受けて、パスするスタイルだった。でも、それでは通用しないということで、前に飛び出したり、サイドに流れるフリーランニングをするようになった」
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奇しくも、本田と同じタイミングで移籍したのが大迫なのだ。大きく成長する、あるいは大きな自信をつかむチャンスは無限に広がっている。
ドルトムント時代の香川を想起させる「Osako」への期待。
なお、ここで前提として理解しておくべきなのは、大迫が試合に出られなくなるリスクは、怪我や出場停止をのぞけば、極めて低いということだ。
それは、なぜだろうか。
例えば、地元メディアは大迫の一挙手一投足を毎日のように報じている。レーベンの他の選手のインタビューでも、期待の新加入選手である「Osako」についての質問が定番となっている。チームメイトへの質問で、日本人選手の名前が何度も挙がる。それは加入した最初のシーズンでブンデスリーガ公式HPにより前半戦のMVPに輝いた香川真司以来のことだ。
大迫の獲得を決めたヒンターベルガーSD(スポーツディレクター)の言葉が大迫のチームでの立ち位置を端的に示している。
「サッカー界では、我々が彼を獲得できたということで驚く声が聞こえる。それを誇りに思っている」