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若手の伸び悩みに苦しむイングランド。
好調ブンデスの「育成」と何が違う!? 

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鈴木英寿

鈴木英寿Hidetoshi Suzuki

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photograph byThe FA via Getty Images

posted2013/05/25 08:02

若手の伸び悩みに苦しむイングランド。好調ブンデスの「育成」と何が違う!?<Number Web> photograph by The FA via Getty Images

FAイングランド・アワード授与式でのスティーブン・ジェラード(写真左)、ボビー・チャールトン(中)、現イングランド代表監督ロイ・ホジソン(右)。今年で150周年を迎えたイングランドサッカー協会(FA)の“復権”は若い力の台頭にかかっている。

 27シーズンに渡って“赤い悪魔”を指揮し、プレミアリーグの頂点に君臨してきたサー・アレックス・ファーガソン監督と、ジネディーヌ・ジダンやシャビからも尊敬された名MFポール・スコールズ(マンチェスター・ユナイテッド)。イングランド代表歴代4位の得点記録(89試合40得点)を持つ“ワンダーボーイ”ことマイケル・オーウェン(元リバプール、レアル・マドリーなど)。そして、サッカー界以外にも圧倒的な知名度を誇るデイビッド・ベッカム(今季はPSG)。

 シーンの最前線でイングランドのフットボール界をけん引してきた顔役たちが、今季限りで監督の座から降り、ユニホームを脱いだ。そう、一つの時代が、幕を降ろそうとしているのだ。その節目とも言えるシーズンの締めくくりとして、チャンピオンズリーグ(CL)決勝が今夜(5月25日)、行われる。

英国メディアの論調は「解決策はドイツサッカー界にあり」。

 会場は“聖地”ウェンブリー。対戦カードはバイエルンとドルトムントによるドイツ勢対決だ。アーセナルでプレーするドイツ代表ルーカス・ポドルスキ(元バイエルン)は、『サン』のインタビューに応じ、こんなコメントを残している。

「この決勝戦のおかげで、イングランドのファンがドイツのサッカーについてより多くを知ることになると思う。ブンデスリーガはレベルアップしているからね。でも、プレミアリーグのほうがまだ強いけれども」

 ポドルスキはそう語るものの、英国メディアはイングランドサッカー界の「危機感」を報じ、「解決策はドイツサッカー界にあり」という論調を展開している。

 サッカーの母国が抱える危機感とは何か。イングランド代表のロイ・ホジソン監督は「若手が育ってこない」と嘆く。

 3部リーグに当たるイングランド・リーグ1で指揮を執るドイツ人監督、ウーベ・レスラーは現状を次のように分析している。

「ブンデスリーガでは19歳、20歳のドイツ人の若手選手が、トップチームでチャンスを与えられている。育成システムという点では、ドイツのほうが優れていると言える。イングランドでは若手を育てたとしても、18歳、19歳で成長が止まってしまう。育成に力を入れようと思ったら、若手にチャンスを与えるべきだ」

【次ページ】 イングランドにおける「育成」面での最大の障壁とは?

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