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脱・実業団で世界を目指す
異色ランナー野尻の挑戦。
~スキーから女子マラソンの道へ~
text by
若林朋子Tomoko Wakabayashi
photograph byKYODO
posted2013/12/24 06:00
25km付近でトップに立つも、惜しくも2位。レース後「走ることは生きること」と語った。
横浜国際女子マラソンで「異色のランナー」が日本勢最高の2位に入った。クロスカントリースキーから転向した野尻あずさ(ヒラツカ・リース)である。実業団のトップチーム第一生命を離れ、1人で練習するスタイルも「異色」だ。川内優輝や藤原新ら実業団に所属しないで成功した男子選手はいる。女子はどうか? 野尻は「開拓者」の道を走り始めたといえよう。
野尻はスキーでバンクーバー五輪を目指すも断念し、'08年春に引退した。故郷・富山に帰省した際に後輩でアルペンスキーの花岡萌を訪ねたところ、花岡にトレーニングを指導していた地元の陸上競技関係者から長距離種目への挑戦を勧められる。バルセロナ五輪女子マラソン代表だった山下佐知子第一生命監督を紹介され、同年8月に第一生命入り。マラソンで'11年世界選手権に出場し、ロンドン五輪を狙ったが果たせず、'12年3月末に第一生命を退社した。