Sports Graphic Number SpecialBACK NUMBER
<ゴールハンターの叫び> 大久保嘉人 「どうしても得点王を取りたかった」
text by
小宮良之Yoshiyuki Komiya
photograph byTakahiro Ichikawa
posted2013/12/19 06:01
新天地・川崎フロンターレで31歳にしてキャリアハイを大幅に更新。
男は臆面もなく、自身初のタイトル・得点王へのこだわりを明かした。
男は臆面もなく、自身初のタイトル・得点王へのこだわりを明かした。
大久保嘉人は31歳にして、シーズン自己最多得点を記録した。ヴィッセル神戸から川崎フロンターレに移籍してきて以来、まるで“ゴールの鍵”を手にしたようだ。
「大人になったことで得点が取れている」と関係者は好調の理由を説明する。しかしセレッソ大阪、マジョルカ、ヴォルフスブルク、ヴィッセル神戸と取材を続けてきた筆者から見て、彼の本質は変わっていない。むしろ、得点を取り続けているからこそ落ち着いているように映る。だとすれば、ゴールに結びつくプレーそのものに真実はあるはずだった。
自身初のJリーグ得点王タイトルを目前にした彼を訪ねた。
――Jリーグ得点王に王手(31節時点で24得点)?
「まだ取ってないよ。気が早いって(笑)」
――残り3試合で3点差。
「3点差なんて、他のみんなもあきらめていない。なにが起きても不思議じゃないよね。気を抜いたら追いつかれる。逆の立場でも、諦めないっしょ。それがストライカー」
――20点超えは初。率直に聞くけど、自己最多得点を取れている理由は?
「俺のやることは変わってない。調子がいいのは、周りの選手が気が利くから。パスを出したら返ってくる。だからこっちもまた出す。全員がそのリズムでプレーしている。今まではちょっと苛々していたかな。ボールが戻って来んから」