Jリーグ万歳!BACK NUMBER
J1昇格プレーオフを巡る死闘90分。
アディショナルタイムに笑う者、泣く者。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byKyodo News
posted2013/11/25 12:50
1-0で長崎を下した試合直後、声援に応える徳島ヴォルティスの選手たち。2005年にJリーグ入りしてからの悲願達成なるか!?
今年も下剋上は起こるのだろうか。
導入1年目の昨季は、6位でシーズンを終えた大分が大逆転でJ1昇格を勝ち取った。準決勝で敗れた京都、同じく決勝で敗れた千葉にとっては雪辱を期す2年連続のプレーオフ出場となり、徳島と長崎は初出場となる。
大分が文字どおりの下剋上でJ1昇格を勝ち取った昨季は、結果的に、ノックアウト方式で行なわれるトーナメントにおいては“当たって砕けろ”の精神が有利に働くと指摘された。おそらく今季もポジティブな精神状態で決戦を迎えられるのは、開き直って下剋上を狙える下位チームであると言えるかもしれない。
ただし、昨季との違いは、昨季のレギュラーシーズン3位で昇格を逃した京都、同じく5位で逃した千葉が、この大会の経験値を蓄積していることである。全4チームが“初心者”だった昨季とは明らかに状況が違う。
初出場の勢いに乗りたい徳島と長崎に対して、シーズン開幕当初から昇格候補の一角に挙げられていた京都と千葉がどう対応するか。両者とも、独特の緊張感の中で行われるJ1昇格プレーオフという舞台では、“1年前の悔しさ”という感情的な要素よりも経験則に基づく緻密な戦略こそがポジティブに作用することを知っているはずだ。