Jリーグ万歳!BACK NUMBER
J1昇格プレーオフを巡る死闘90分。
アディショナルタイムに笑う者、泣く者。
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byKyodo News
posted2013/11/25 12:50
1-0で長崎を下した試合直後、声援に応える徳島ヴォルティスの選手たち。2005年にJリーグ入りしてからの悲願達成なるか!?
頑なに続けた“放り込み”で千葉がようやく1点を返す。
67分、スコアレスのまま推移していた「長崎vs.徳島」の均衡を破ったのは、徳島のMF宮崎光平だった。このゴールを機に、プレーオフ出場権3枠をめぐる5チームの争いは一気に白熱する。
<67分時点の順位>
4位 徳島/勝点67
5位 長崎/勝点66
6位 松本/勝点66
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7位 千葉/勝点65
8位 札幌/勝点64
もっとも、ここからスコアが動いたのは「鳥取vs.千葉」の一戦だけだった。
森本とケンペスの2トップに“放り込む”スタイルを頑なに続けた千葉は、それでも、時間の経過とともに圧力を強めて徐々に相手を押し込んだ。81分、右サイドでロングボールのこぼれ球を拾った深井が鋭い切り返しで相手をかわすと、得意の左足でクロス。ニアサイドに飛び込んだ森本が頭をひねって逆サイドに流し込み、ようやく1点を返す。
ロングボール頼りの攻撃に、精神状態が追い詰められていた。
今季の千葉は、昨シーズンのプレーオフ決勝で大分に敗れた悔しさを活力にして戦ってきた。2009年のJ2降格以来、J2を舞台とするのは今季で4年目。このリーグで結果を残すことの難しさを十分に理解しているからこそ、焦りは募る。それでも、勝点を奪わなければ順位は変わらない。残り10分足らず。ロングボールに頼ったパワープレーでゴールを奪おうとする姿勢に、追い詰められたその精神状態は表れていた。
そして、同時刻にキックオフされた4試合が規定時間の90分を過ぎる。
「松本vs.愛媛」は1-0のまま松本の勝利。「長崎vs.徳島」も1-0のまま動かず、徳島が勝利を収めた。「札幌vs.北九州」はスコアレスドロー。この時点で札幌のプレーオフ出場は消えた。
<90分時点の順位>
4位 徳島/勝点67
5位 長崎/勝点66
6位 松本/勝点66
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7位 千葉/勝点65
8位 札幌/勝点64 ※8位が確定