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ライコネンの欠場理由はギャラ未払い!?
チームはドライバーへ敬意を示せ。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byAP/AFLO
posted2013/11/17 08:01
残り2戦、ロータスのヘルメットをかぶるライコネンを見る機会は失われてしまった。
予算がなくてもドライバーに敬意を示すことはできるはず。
ロータスもかつてはルノーがオーナーだったが、その関係もいまは解消され、ジェニーという投資会社によってなんとか生き延びているという状態だ。その中で年間数百億円を出し続けてマシンを開発しているレッドブル、フェラーリ、メルセデスAMGと、時に互角以上の戦いを披露している姿は敬服に値する。そんなロータスだからこそ、F1ドライバーに対しては、もう少し敬意を払ってほしかった。
私が言う敬意とは、必ずしもお金を約束通りに支払うということではない。
たとえ、ロータスが契約通りに全額を支払うことができなかったとしても、敬意さえあれば、解決策はあったはずだと思うからだ。いくらチームの経営が厳しくても、1ユーロも支払わないというのは、作為を感じざるを得ない。
2013年シーズンも残すところ、あと2戦。F1を去る者、チームを移籍する者たちに対して、最終戦ブラジルGPではそれぞれのチームが思いを込めた催し物を行なう。しかし、そこに来シーズン、フェラーリへ移籍するライコネンはいない。彼は「さよなら」を言わずに、チームを去ったのである。失ってから、初めて気づくことがある。第二のライコネンを出さないように、2013年のフィナーレを迎えてほしい。