青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
パッティングの克服で無敵の強さを!
石川遼が期する2011年の大進化。
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byYUTAKA/AFLO
posted2011/01/04 10:30
次のマスターズでは優勝争いをしたいと宣言した石川。過去19回マスターズへ出場している“師匠”尾崎将司から「マスターズで必要なのは2m以内のパッティング」とアドバイスをもらった
Driver is show. Putt is money.
派手なドライバーショットは見せ物でしかなく、スコアに直結するのはなんといってもパッティングである。
ゴルフ界では使い古された格言ではあるが、2010年の石川遼のプレーを振り返ってみれば、やはり普遍的な意味をもつ言葉なのだと実感させられる。
石川のドライバーショットの輝きは否定しようがない。ティーグラウンド周りで観戦するギャラリーは「ナイスショット!」の声を上げる瞬間を楽しみにしているし、高い弾道でかなたの空に飛んでいくボールにうっとりとため息をもらす人もいる。
ドラコンではなくとも、それだけで1つのショーとして成り立っている。
一方でパッティングはどうだろうか。
こちらはまだまだギャラリーを沸かせるショーには程遠い。まだまだ下位の選手の練習風景のような鈍臭ささえ感じさせることもある。
石川の平均パットランクの順位は実力通りでもない!?
'08年の平均パットランクは3位、'09年は1位、'10年は2位であり、データを見れば申し分はない。ただし、この数字には“まぎれ”がある。ツアーの発表している平均パットはパーオンしたホールでのパット数だからだ。
石川のようなロングヒッターは、パー5で2打目をグリーン近くまで運び、アプローチを寄せて楽々のバーディーを奪っていくことが多い。こうしたパー5での1パットバーディーが平均パットを少なくする方向に作用する。パッティングの巧拙そのものとはあまり関係がない部分である。
常に平均パットのスタッツで上位にいながらも、石川がパットの名手と言われることがないのはそうした理由がある。
石川の父・勝美氏も最終戦を終えた後に今後の課題をこう語っていた。
「悪いのはショートゲームだけど、きちんとした練習をやってないんだからしょうがない。ただ、これからはだんだんと練習課題に入れていくかもしれないね。そうすればマスターズや春先の米ツアーの試合も違った結果になるんじゃないか」