沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER

世界の競馬のルールはここで決まる!
“パリ国際競馬会議”の舞台裏を探る。 

text by

島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

PROFILE

photograph byAkihiro Shimada

posted2013/10/18 10:30

世界の競馬のルールはここで決まる!“パリ国際競馬会議”の舞台裏を探る。<Number Web> photograph by Akihiro Shimada

スピーチをするJRAの佐藤浩二総括監。パリ国際競馬会議は1967年に創設され、日本は現在、加盟国代表12名で構成される執行協議会の一員となっている。

鞭の使用に関するルール変更が?

 これだけ世界中で行われているグローバルなスポーツで、ルールが国によってバラバラなのは競馬だけである。そこで、「これからはルールの統一化を目指してはどうか」という声があがり、'07年10月のパリ会議の執行協議会で「競走ルールの調和に関する委員会」が承認され、その第1回目が同年12月に香港で行われ、年に1、2度のペースで開催されるようになった、というわけだ。この委員会では、鞭の使い方のガイドラインなども協議されている。

 最近、ヨーロッパで騎乗した日本の一流騎手が、鞭の使用回数の制限を超えて騎乗停止になることが何度かあった。それを考えると(私の想像に過ぎないが)、次に私たちの目に見える形でルール変更があるとしたら、鞭の使用に関することだろうか。

パリ会議にファンもアクセスできるようになれば……。

 このパリ会議は、いわゆる舞台裏のことなのだが、テーマによってはそのままファンが楽しむためのコンテンツに充分なり得る。今回はインターネット中継も行われたというが、どのくらいの人が見たのだろう。ウルグアイや日本の紹介VTRなんかは、それぞれネットで見られるようにしたらかなりのアクセスが期待できるのではないか。

 去年、トルコのイスタンブールで開催されたアジア競馬会議に出席したときも思ったのだが、「情報の共有」を目的とするなら、各国の主催者同士のみならず、ファンも気軽にアクセスできるようにしていいのではないか。日本の新・降着ルール採用のように、何か大きな変更があるときは、そのプロセスにファンが接することにより、理解が早まったり深まることも、場合によってはあるはずだ。

 パリ会議の最後に、前日の凱旋門賞のVTRが流れ、複雑な気持ちでみなと一緒に拍手しながら、そう思った。

BACK 1 2 3

競馬の前後の記事

ページトップ