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<私とラン> 長谷川穂積 「いっぱい走り込んだ後の試合って勝つんです」
text by
米澤和幸Kazuyuki Yonezawa
photograph byTakuya Sugiyama
posted2010/11/25 06:00
実はこれまでの試合では1ラウンドで足が攣っていた。
今年30歳を迎えるということもあり、年齢的に走るの、年々しんどなってきますよね。以前なら週6日全部10kmとか走ってましたけど、今はスパーリングのある日はロードワークを軽くするとか、ある程度はメリハリをつけています。心肺的な意味もありますし、なかなか疲労が取れにくくなってきたという感覚があるんです。
今回、階級を2つ上げましたが、フットワークに関しては階級を上げたことによって逆にプラスに働くと考えています。
実はこれまでの試合では、1ラウンドから脚が攣ったことが少なくないんですよ。試合中は相手選手に気づかれないようにやってましたからね。ここ数試合に関しては早く試合が終わってくれてたからラッキーでしたが、それが12ラウンドまで続いたとしたら、相手選手に脚が攣ったことを誤魔化せなかったでしょう。
若干、減量苦から解放されることによって、今後は攣ることも少なくなるはず。
いきなり2階級上げるっていうのは考えていなかった。
試合では、とにかく冷静でいるよう心がけてます。幸いに多くの試合では、カッとなるほど自分が殴られなかったということもありますが、熱くなったら負けです。逆に怒っているうちは、「気持ちにまだ余裕がある」ということですもんね。常に客観的に自分を俯瞰で見ながら試合をすることが理想です。
前回の負けを経験し、そこからいろんなことを吸収した上での次の試合なんで、ターニングポイントの試合になることは間違いありません。
WBC世界フェザー級王座決定戦は11月26日(金)にありますが、実はいきなり2階級上げるっていうのは、あまり考えてなかったことなんです。
ただ、チャンスもそこにありましたので決断しました。減量は楽にはなるでしょうが、相手の身体は大きくなり、パンチ力も強くなる。リスクはあります。