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完全復活の武豊か、5頭のGI馬か。
超豪華メンバーの札幌記念を読む。
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byNIKKAN SPORTS
posted2013/08/17 08:01
前走の函館記念、絶妙のスタートから逃げ切り勝ちを決めたトウケイヘイロー。ロゴタイプも前で競馬ができるだけに見ごたえあるレースとなりそうだ。
迎え撃つ古馬陣の筆頭、トウケイヘイロー。
迎え撃つ古馬勢も強力だ。
その筆頭は、武が騎乗するトウケイヘイロー(牡4歳、父ゴールドヘイロー、栗東・清水久詞厩舎)だ。以前はマイルや1400mを中心に使われていたが、2走前の鳴尾記念(GIII、芝2000m)を武の手綱で逃げ切り、中距離戦線の新星として注目されるようになった。前走の函館記念もトップハンデの57.5kgを背負いながら2着を1馬身3/4切って捨てた。
トウケイヘイローは、やや掛かり気味のまま、ついてくる馬たちをバテさせるハイペースの逃げを打ち、押し切ってしまう。この脚質は、小回りで直線の短い函館では他馬にとって大きな脅威だろう。しかも鞍上は、スタートの速さでは間違いなく世界一の武である。
ここを勝てば、武のシリーズチャンピオンのみならず、トウケイヘイロー自身のサマー2000シリーズ(芝2000mの重賞5戦のポイントを馬が競う)の王座獲得も視界に入ってくる。
GI馬5頭参戦という超豪華メンバー。
この札幌記念は、ロゴタイプを含めてGI馬が5頭も出走する超豪華メンバーとなった。
ロゴ以外の4頭は、'11年の天皇賞・秋を勝ったトーセンジョーダン(牡7歳、父ジャングルポケット、栗東・池江泰寿厩舎)、'12年のヴィクトリアマイルを勝ったホエールキャプチャ(牝5歳、父クロフネ、美浦・田中清隆厩舎)、'11年の桜花賞馬マルセリーナ(牝5歳、父ディープインパクト、栗東・松田博資厩舎)、'12年のエリザベス女王杯優勝馬レインボーダリア(牝6歳、父ブライアンズタイム、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)と、3頭が牝馬である。
毎年必ず夏場に活躍する「夏女」が現れるのだが、このなかでは、前走のヴィクトリアマイルで久しぶりに「らしさ」を見せたホエールキャプチャの気配がいい。
GI馬ではないが、去年の牝馬三冠ジェンティルドンナに食らいついたアイムユアーズ(牝4歳、父ファルブラヴ、美浦・手塚貴久厩舎)も、前走のクイーンステークス(GIII、芝1800m)で同レース連覇を果たし、洋芝適性の高さと夏女ぶりをアピールしている。
筆者が印をつけるとしたら、
◎トウケイヘイロー
○ロゴタイプ
▲アイムユアーズ
△ホエールキャプチャ
×トーセンジョーダン
となり、トウケイの単勝と、同馬を軸とした馬連を買うつもりだ。
かつて、エアグルーヴやヘヴンリーロマンスといった名馬が、ここを制して次走の天皇賞・秋も優勝するなど、夏の重賞のなかではひときわ華やかで、格の高い札幌記念。
今年はどんなレースが見られるだろうか。