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<私とラン> 久保田智子 「オバマ大統領の就任演説はランにものすごく合う」
text by
NumberDo編集部Number Do
photograph byAtsushi Hashimoto
posted2010/11/11 06:00
走るリズムに合う「オバマ大統領の就任演説」。
走るときには音楽を聴いています。ラジオを聴きながら走っていたときもあるし、落語を聴いて走ったこともあります。3時間走をするときに、やっぱり物語性があるもののほうがいいのかなと思って。(立川)談志師匠の芝浜を聴きながら「なんてええ話や」なんてウルウルしたり。
でも走るってリズムだから、リズムと音楽がいかに合うかってことが大切ですね。落語ってすごくいいけど、なんでこんなにしんどいんだろう、って思ったらやっぱりリズムが合ってなかった(笑)。そういう意味では、オバマ大統領の就任演説はものすごく合う。内容も素晴らしいし、すごく心に滲みます。
今はファンタスティック・プラスチック・マシーンの「サウンドコンシェルジュ」シリーズとテイ・トウワの「FLASH」がお気に入り。曲ひとつひとつのリズムもそうですけど、アルバム全体が走りに合っていて、辛い時になると目の前が開けるような開放的な音楽になったり、途中で少しチルアウトしたり。リズムがぴたりと合うと、どんなに体調が悪くても身体も頭も単純化されるんですね。だから、大会でも同じアルバムを繰り返し聴いています。
「苦しくなったときにどれだけ何も考えないでいられるか」
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マラソン大会でも、自分の持ってるエネルギーというのは変わらないですよね。それを音楽やリズムでどう効率よく使っていくか。配分とか無駄なことは考えず、頭を空っぽにする。それこそ30kmを超えると、すっごく苦しくなりますよ。その苦しくなったときにどれだけ何も考えないでいられるか。「あ~もうやめようかな」と思って、そこで辞めちゃったらもう終わりですから。
1、2、3、4と数をカウントして何も考えない。そうするといつの間にか苦しみって乗り越えるものなんです。これって走り始めて気づいたんですけど、日常生活でも同じ。嫌なことがあったときに考えすぎると憎悪って増殖していくもの。こういうときに数字とか数えて頭を単純化させると「あれ、何だっけ?」という感覚になるんです。
複雑なものって、どんどん細分化させていくことが多いけど、そこを単純化させる。これは大発見です。だから嫌なことがあったときや、面白いことないなって思うときには考えるんじゃなくて、身体をまず動かす。前はすごく本を読んだりとか複雑にしてたことのほうが多かったけど、逆もあるんだなって、走ることが気づかせてくれましたね。
◇ ◇ ◇
◆久保田智子さんへのQ&A
33歳、広島県出身。2000年入社。現在『報道特集(土曜17時30分~)』をはじめラジオ番組なども担当
Q1 走りはじめたきっかけは?
28歳の時。世界陸上を担当して走りたくなりホノルルマラソン出場を決意。
Q2 どのくらいの頻度で走っていますか?
6回/週。大会が近いので。走らないときは走りません。
Q3 走る日のタイムスケジュールは?
Q4 お気に入りのコースは?
一番よく走るのが皇居です。あとは芝公園と、赤坂御所の周りです。そのまま神宮に行くことも。
Q5 走るときに聴く音楽は?
オバマ大統領の就任演説スピーチ。テイ・トウワ『FLASH』、ファンタスティック・プラスチック・マシーン『サウンドコンシェルジュ』シリーズ。
Q6 今までのベストタイムは?
03:57:56 2010年の東京マラソンでサブフォーを達成。