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あの“フクシ君”が日本シリーズ中継!?
Ustreamでこぼれた落合監督の本音。
text by
村瀬秀信Hidenobu Murase
photograph byTamon Matsuzono
posted2010/11/09 12:40
誰が言ったか、不人気シリーズ。
稀に見る名勝負となったこの日本シリーズは、第1戦、第2戦、第5戦の地上波放送がないという前代未聞の事態もどっこい、「放送しなさい」という野球の神様の啓示か、第4戦(延長11回)、第6戦(延長15回)、第7戦(延長12回)という3試合延長戦突入の完全中継で、1試合+2イニング分を補てんした。
地上波放送のない試合も結果的には2試合が大差での決着となり、さらに第4戦の野村克也、第6戦の古田敦也・野茂英雄、第7戦の清原和博と、これまたビッグゲームにしか出てこないゲスト解説陣の貴重な話が(途中から寝ていたと噂される野茂英雄以外は)いつもより多く聞けたのだから、終わってみれば例年以上にがっつり観たという満腹感に溢れていたりする。
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特に試合終了時刻23時54分。シリーズ最長時間にして延長15回の大熱戦を完全中継した第6戦のフジテレビは、途中からCMが入らない緊急事態に陥りながらも、最後まで本当によくやりきってくれた。その姿勢に敬意を表して、21時からの放送予定が0時10分開始になってしまった映画『バブルへGO!!』を眠い目をこすりながら観た野球ファンも多いのではないか。
今シリーズの報道側でMVPをあげるならば間違いなくフジテレビであろう。敢闘賞は第4戦をこれまた完全中継のテレビ東京と、第3戦をちゃんと中継してくれたテレビ朝日というところか。
そしてもうひとつ、新人賞をあげたいメディアがある。
今回のシリーズではじめてその存在を知った、インターネットの動画共有サービス「Ustream」(ユーストリーム)という新メディアだ。
奔放すぎた幼き日のフクシ君が、立派な大人となって登場!
今回の日本シリーズ、すでにご存じの方もおられるだろうが、地上波放送のなかった第1戦と同時進行で、'87年のバブルにボーンした落合監督の御子息・フクシ氏が23歳の立派な青年となり『「中日vs.ロッテ」日本シリーズ第1戦「フクシ君といっしょ! 観戦」 on Ustream』なる番組を中継したのである。
このUstream中継は10月18日に発売されたフクシ氏の著作『フクシ伝説 うちのとーちゃんは三冠王だぞ!』(集英社)の発売記念として企画され、10月21日のセ・リーグCSセカンドステージ中日vs.巨人戦の時に第1回目をネット上で中継。予想外の好評を得たことから、この日のシリーズ第1戦に併せて第2回放送が行われたのだとか。
幼少期にはテレビ番組の収録中にテーブルの上で放尿をするなど、奔放すぎる言動がプロ野球ファンの間で伝説化されていたフクシ氏。そのやんちゃな子供が186センチ、120キロの立派すぎる青年に成長した姿を拝めただけでもお宝ものなのだが、この中継にはそれ以上の衝撃内容が試合後に待っていたのである。