青春GOLF ――石川遼に密着! BACK NUMBER
ジャンボ尾崎の殿堂入りで考える。
石川遼が選ぶ道は“ガラパゴス化”?
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byKYODO
posted2010/10/13 10:30
日本で独自に進化を遂げていくのか、それとも……。
石川の父・勝美氏は米ツアー本格参戦には消極的な態度を貫いており、石川自身も「いつかはPGAツアーで戦える選手になりたい」と言うだけで、現時点では具体的なプランを示していない。今季は日本ツアーでの実績を足がかりに、スポット参戦だけで4大メジャーを含む11試合に出場。これだけ出られれば十分という考えもあるのかもしれない。
今後も日本にとどまるなら、尾崎のような圧倒的な強さでツアーに君臨する可能性もあるだろう。ただし、それは海外にまで訴えかける実績ではなく、流行りの言葉でいえば“ガラパゴス化”した強さである。
今回新たに殿堂入りを決めた南アフリカ出身のアーニー・エルスは「国際部門」ではなく、「PGAツアー、チャンピオンズツアー部門」での殿堂入りとなった。こちらの条件は(1)40歳以上 (2)米ツアーで10年以上メンバーとしてプレー (3)米ツアーで10勝以上挙げるか、メジャーとプレーヤーズ選手権を合わせた5大会で2勝以上していること。石川が早い時期に米ツアーに飛び出せば、こちらの条件を満たせる可能性も出てくるはずだ。
殿堂入りするような選手に成長していくには日本にいようと、海外に飛び出そうと、不断の努力が必要なことは言うまでもない。その上で日本で独自に進化を遂げていくのか。海外の環境に適応して経験を重ねていくのか。
いつか石川自身が選び取る道はどちらになるのだろうか。