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「投手の年」とルーレット・プレーオフ。
~ツインズとジャイアンツが変身!!~ 

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芝山幹郎

芝山幹郎Mikio Shibayama

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photograph byGetty Images

posted2010/10/09 08:00

「投手の年」とルーレット・プレーオフ。~ツインズとジャイアンツが変身!!~<Number Web> photograph by Getty Images

1991年以来ワールドシリーズ制覇から遠ざかっているツインズ。2002年に監督へ就任したガーデンハイアは、年間最優秀監督賞を就任以来5回も次点で逃しているという“惜しい”名将だ

 90勝未満のチームはひとつもない。100勝を超えた球団も皆無だ。最多勝利数のフィリーズ(97勝)と最少勝利数のレンジャーズ(90勝)との差は大きくない。

 いいかえれば、今季のポストシーズンに大本命はいない。大穴チームも存在しない。「勝てばびっくり」の印象を与える球団はいくつかあるが、そうなっても「大番狂わせ」と感じる人は少ないだろう。つまり混戦だ。通常の戦力分析ではとらえきれない「偶然」の要素が働く可能性は十分にある。

 とはいえ、「投手の年」というキーワードは外せないだろう。2010年が本当に「投手の年」だとしたら、ワールドシリーズはフィリーズ対レイズの対戦になるはずだ。どちらも投手陣の駒がそろっている。だが直接対決となれば、ハラデイ、オズワルト、ハメルの3枚看板を擁するフィリーズが今年は王座を獲得するのではないか。

 常識的に考えれば、これが2010年ポストシーズンの完成予想図だ。地区シリーズを勝ち上がるのは、ア・リーグがヤンキースとレイズ、ナ・リーグがフィリーズとジャイアンツ、というのが大方の予想だろう。

 しかし、そうは問屋が卸すだろうか。

「投手の年」とはいえ、なにかが狂う予感も……。

 疑り深い性格ということもあって、私はどうしても素直にうなずけない。圧倒的とはいいがたかった「投手の年」が、短期決戦のルーレット・プレーオフでゆらぐことはありえないか。なにかが狂う、どこかで穴があく、という事態は想定できないだろうか。

 私の考える単穴チームは、ツインズとジャイアンツだ。

 ツインズは苦手ヤンキースといきなり対戦する。ご承知のとおり、去年の地区シリーズでツインズはヤンキースに3連敗を喫した。2003年と2004年の地区シリーズでも、ヤンキースに1勝3敗と負け越して敗退を余儀なくされた。そもそも、2002年以降の公式戦通算成績が、18勝54敗と圧倒的に分が悪い。

 ただ、今季のツインズはしぶとさを増している。年俸総額が上がってヴェテラン勢の補強に成功したこともあって、去年までのうぶなツインズではない。切り札となる投手がいないのは弱いが、「丸顔の勝負師」ロン・ガーデンハイア(写真)の采配が冴えれば、一気にワールドシリーズへ進出する可能性もなしとしない。

 ナ・リーグの穴球団はジャイアンツだ。

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