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なぜコンフェデ杯で全敗したのか!?
データが示す日本代表の意外な弱点。
text by
木崎伸也Shinya Kizaki
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/06/28 10:30
イタリアには善戦したものの、終わってみれば3戦全敗と惨敗した日本代表。ザッケローニ監督は「どこを強化するかというところがはっきり見えてきた」と語ったが、W杯まで残り1年で巻き返せるか。
日本からは本田圭佑ただひとりが“ベスト11”入り。
日本の選手だけを抜き出すと、次のようになる。
14位 本田圭佑 8.72
16位 岡崎慎司 8.62
22位 香川真司 8.36
23位 遠藤保仁 8.32
58位 長谷部誠 7.11
63位 長友佑都 6.96
73位 吉田麻也 6.65
85位 前田遼一 6.29
86位 今野泰幸 6.26
94位 細貝萌 6.01
106位 内田篤人 5.63
120位 栗原勇蔵 5.16
125位 川島永嗣 4.99
126位 清武弘嗣 4.95
131位 酒井宏樹 4.76
140位 ハーフナー・マイク 4.38
140位 乾貴士 4.38
140位 中村憲剛 4.38
先発組では、吉田、前田、今野、内田、川島の数値が低い。ポジションで言えば、センターバック、1トップ、右サイドバック、GKの評価が芳しくなかったということだ。
日本の中で唯一、「カストロール・インデックス・Top11」に入ったのが本田だ。総合では14位だが、上位にDFが多いため、繰り上げでベスト11に。MF部門では、イニエスタ(スペイン)に次いで2位だった。コンディションは100%ではなかったが、きっちり“数字”を残すのはさすがである。
攻撃面のデータは、日本は上位チームと互角だが……。
では、チームとして見たら、日本はどんな位置にいるのだろうか?
B組は大きく力が劣るタヒチが入っていたため、スペインとウルグアイが高ポイントを得る傾向があった。A組のブラジル、イタリア、メキシコのみを比較の対象としよう。
興味深いのは、攻撃に関する多くのランキングにおいて、日本は他の3チームとほぼ互角だったことだ。たとえばアタッキングの回数は、日本はブラジル、メキシコと同数だった。
<アタッキング回数>
イタリア 63
ブラジル 49
日本 49
メキシコ 49
得点数に差はあるが、シュート数もほぼ互角である。
得点 | シュート数 | 枠内シュート | |
ブラジル | 9 | 40 | 27 |
イタリア | 8 | 36 | 19 |
メキシコ | 3 | 37 | 19 |
日本 | 4 | 35 | 23 |
そしてパス数では、イタリアとメキシコを上回っていた。
パス数 | パス成功数 | 成功率 | |
ブラジル | 1621 | 1238 | 76% |
日本 | 1569 | 1169 | 75% |
イタリア | 1474 | 1097 | 74% |
メキシコ | 1402 | 1019 | 73% |
なぜ日本は攻撃面でこれだけいい数字を残しているのに、勝利に結びつかなかったのだろうか。簡単に言えば決定力が低く、守備でミスが多かったということなのだが、データをさらに細かく見ると、3つの課題が浮かび上がって来た。