日本代表、2014年ブラジルへBACK NUMBER
中山雅史の魂の継承者、岡崎慎司。
稀代のストライカーをつなぐ共通点。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byTakuya Sugiyama
posted2013/02/18 10:30
2月6日のラトビア戦で岡崎は2得点を決め、日本代表史上最速でAマッチ30得点に到達。まだ26歳、どこまで記録を伸ばせるか。
岡崎に求められるのは精神的支柱としての存在感。
代表での得点はラトビア戦で2ゴールを追加して歴代4位の31ゴール。中山の21ゴールを大きく上回っている。しかし岡崎が中山の存在を超えたとはまだ言えない。
中山の魅力を語った岡田の言葉が思い起こされた。
「アイツがガムシャラに走ったり、ボールを追い回したりするだけでチームは急に活性化する。それに、いつもチームがプラスになるパッションを出してくれていた。明るさ、存在感、積極性……特に勝負の懸かった試合では外せなかった」
プレー面のみならず、メンタル面においても中山は超一級のスイッチャーということなのだろう。
中山が岡田ジャパンに呼ばれたのは30歳のときだ。ドーハの悲劇などの経験値を経て、そのうえでチームを活性する術を得たのかもしれない。
それを考えれば岡崎はまだ26歳。これからが本領発揮のときである。チームの精神的な支柱としても今後は存在感を発揮していかなければならなくなる。
引き継がれるスイッチャーの系譜。
チームに流れをもたらし、2ゴールを奪った岡崎の姿を、中山はきっと頼もしく見ていたに違いない。