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<特殊なポジションに魅せられて> GK人生という選択。~西川周作/林彰洋/福藤豊/甲斐昭人~ 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byAtsushi Hashimoto

posted2013/01/21 06:00

<特殊なポジションに魅せられて> GK人生という選択。~西川周作/林彰洋/福藤豊/甲斐昭人~<Number Web> photograph by Atsushi Hashimoto
サッカーでは手を、ハンドボールでは足をただ一人使い、
残忍なシュートの雨にも負けず、ゴールマウスを死守する。
そんな異質で過酷で孤独なポジションを選んだ彼らには、
フィールドプレーヤーが知らない“特別な喜び”があった。

 あの瞬間が人生の岐路だったと、通り過ぎたあとで気づくことがある。気軽な気持ちで踏み出した歩幅の短い一歩も、振り返れば大きな選択になることがある。

 およそどんな競技でも、ゴールキーパーは子どもが奪い合うポジションではない。サッカー日本代表のGK西川周作も、フィールドプレーヤーとして夢を描いていた。小学4年の練習試合でレギュラーが欠場し、代理を任されたのが初めてのGK体験である。

「みんなよりひと回り身体が大きかったので、僕がやることになったんでしょうね。身長だけでなく、横幅もありましたから。腕白相撲に出るぐらいにパンパンでした」

 右サイドバックだった太っちょの少年は、この日からGKが定位置になる。だが、三浦知良に憧れる彼の気持ちは曇りがちだった。

「最初はやっぱり、嫌でしたねぇ。土のグラウンドで飛ぶと痛いし、失点したらGKのせいって言われがちだし。ゴールを取られるんじゃなくて、自分が取りたいですしねぇ」

 大分県の練習場で西川が複雑な感情を抱いていた頃、林彰洋は東京都のグラウンドでGKとしての第一歩を踏み出す。西川より学年が一つ下の彼は、小学3年生だった。のちに2人は日本代表で共闘することになる。

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